六百九十九話
「クロード。母さんも会いたがっているから嫁さんを連れて帰ってきなさい」
そう言って神としての父親である男性は去っていった、
「何々?クロードってお嫁さんがいるの?」
そう言って乗って来たのは天照大神である。
「いますけど・・・。そこに食いつきますか?」
「だって。ずっと見守ってたから気になるじゃない」
天照大神は近所のおばさんのような乗りでそう言ってくる。
「それより先にやることがあるでしょう」
オーディンを倒して終わりではない。
これからオーディンがめちゃくちゃにした世界のバランスを取らなければならないのだ。
クロードは神界を全て支配下に置き世界のバランスを調整しはじめた。
人間界に流れ込んでいた膨大な神力をしぼる。
これで人間界の崩壊は何とか防げるだろう。
「クロード。ちょっといいか?」
そう言って話しかけてきたのは精霊王だった。
「どうしたんですか?」
「魔界に魔力や淀みを何とかする陣を構築しただろう?あれを世界樹にも頼む」
「いいんですか?」
「いいというかだな・・・。このままだと負荷で世界樹が枯れかねない」
「そういうことなら・・・」
取りあえず神界でできることはこれ以上ないので精霊王に連れられて世界樹に移動する。
神としての能力のおかげで世界樹の状況が手に取るようにわかった。
「よく、これで持っていましたね」
「それはクロードのおかげだな。前回、来たときに協力してくれなければ限界を越えていただろう」
人であった時に出来たことは少ないがそれでも世界樹の維持に貢献していたようだ。
「では、陣を書いていきますね」
もっとも負荷のかかっている1層から順番に陣を刻んでいく。
1000層全部に描くのには時間がかかるため分体を作り出してサクサクと進めていく。
膨大なエネルギーがクロードに流れてくるが使徒であるクロやシロの協力もあり押さえ込むのに成功した。
1000層全てに陣を描き終えクロードはゲルマン王国に戻ることにした。
「助かった。礼を言う」
「いえ。それではまた何かあれば言ってください」
これから精霊王やロキとはこの世界を統治する上で何度も会うことになるだろう。
「頼りにしている」
クロードは転移魔法でゲルマン王国に戻ってきた。
そのまま王城に向かう。
門番は突然の訪問に驚くことなく手際よく手続きをしてくれる。
「陛下。ご無沙汰しております」
「今日はどうしたのだ?」
「大事なお話があります」
「わかった。別室で聞こう」
クロードの雰囲気から重要な話だろうと当たりをつけてポセイドスはそう提案した。




