六百九十七話
オーディンの支配する領域に入ったクロードがまず行ったのは神力による支配領域の乗っ取りだ。
これをすることにより配下達は本来の力を発揮することができる。
相手もそれをただ見ていたわけではない。
神力での上書きを妨害しオーディンの配下達は物理的にクロード達を排除しようと攻撃してくる。
エインヘリャルはもちろんのこと下級の天使やヴァルキリー達が襲いかかってくる。
クロードの配下達は手慣れたようにそれを排除していく。
クロードは万全の状態ではないがそれでも確実にオーディンの支配地域を奪い取っていった。
「遅くなった」
そう言って新たに神界に入ってきたのは配下を連れたロキだった。
「いえ。こちらが早く入りすぎただけですから」
「支配権の奪取は任せた。俺達は俺達で暴れさせてもらおう」
ロキがそう言うと小型になっていたフェンリルとヨルムンガンドが本来の大きさになり真っ先にオーディンの配下達に突っ込んでいった。
ロキとその配下の魔人達もそれに続く。
だが、それでもまだこちらの方が人数が少ない。
個々の能力ではこちらの方が上だが人数差というのは長期戦になればなるほど響いてくる。
ここはオーディンにとってホームと言える世界だ。
このまますんなりと済むとは思えない。
クロードが危惧した通りこの世界の3分の1の支配権を奪い取った時、違和感を感じた。
今まで順調に奪い取れていた支配権が奪い取れなくなったのだ。
戦力も中級の天使達が混ざってきており拮抗してしまう。
このまま事態を放置すれば戦力の少ないこちらが不利となっていくだろう。
だが、心強い援軍が現れた。
「おいおい。はじめるならはじめるで一声かけてくれよ」
「建御雷神?いいところに・・・」
「妾もおるぞ」
「天照大神も・・・」
「そのまま支配権の奪取に集中しろ。あちらは引き受けた」
建御雷神はそう言うと最前線に突っ込んでいきオーディンの配下を蹴散らしていく。
天照大神とその配下達はクロードの周囲に集まり陣を作りはじめる。
「これは・・・」
「支配権を奪いやすくする陣形じゃ。そのまま全て奪い取ってしまえ」
天照大神がそう言うと先ほどまで抵抗を感じていた支配権の奪取が再びスムーズに進む。
援軍はそれで終わりでなかった。
「オーディンよくもやってくれたな」
そう言って現れたのは4大精霊を引き連れた精霊王だった。
「こちらにきて大丈夫なんですか?」
「人間界に干渉する余裕がなくなったようだからな。配下の精霊には負担をかけるが諸悪の根元であるオーディンを排除するのが最優先だ」
そう言って精霊王と4大精霊達もオーディンの配下を排除すべく突っ込んでいった。




