六百五十九話
クロードは天照大神に言われた世界にやってきていた。
そこら中に妖怪が溢れている。
クロードを見ると妖怪達が襲い掛かってくる。
クロードは分体を作り出し妖怪達の大掃除をはじめた。
妖怪はどこから沸いてくるのか倒しても倒しても現れる。
建御雷神がサボっていたわけでないとするならこの数は異常だ。
こんな数の妖怪が地球に現れたら組織は機能不全に陥るだろう。
クロードが戦い続けていると建御雷神が現れた。
「頑張ってるな」
「ここって何なんですか・・・」
「俺にもわからん」
「わからんって・・・」
「不思議に思って調べてはみたんだよ。わかったのは何故か妖怪が無限に沸いてくるってだけだ」
それを聞いて神だった頃の記憶に引っ掛かるものがあった。
「ウロボロス領域・・・」
「なんだそれ」
「神だった頃に世界の支配権を奪おうとしても奪えなかった世界がいくつかあって」
「お前がか・・・」
神であっても世界を創世するのは簡単ではない。
クロードは神であった頃、負のサイドの世界を幾度となく奪い取りそれを他の神に管理させていた。
「あの方達は知ってるのか」
あの方達というのは神としての両親だろう。
「報告したら放置しておけって・・・」
「気になるが聞いても答えてはもらえないんだろうな」
「でしょうね」
「まぁ、そろそろ戻って1回休め。後は引き継ぐ」
「わかりました」
クロードは地球に転移して食事を取り仮眠をとった。
クロはクロードが眠りについたのを確認して回収された負のエネルギーを変換する。
変換された力によって暴れ狂っていた神力が安定する。
それを見届けてクロはほっとする。
神力が暴走すればクロードは勿論のこといくつの世界が巻き込まれるかわからなかった。
クロードは起きて食事を取り負の世界に転移する。
戦っている建御雷神に挨拶する。
「ただいま戻りました」
「しっかり休めたか」
「えぇ。おかげさまで」
「それじゃ、俺は1回戻るぜ」
そう言って建御雷神は転移していった。
クロードの前には妖怪の死体の山が出来ている。
クロードは何かに使えないかと回収していたが建御雷神は放置していったようだ。
念のために妖怪の死体を回収する。
それが終わったらわらわら寄ってきている妖怪を倒していった。
クロードと建御雷神は交代しながら妖怪の沸いてくる世界で戦い続ける。
1週間ほど続けると変化が訪れた。
妖怪達の沸いてくるペースが落ちたのだ。




