三百二十八話
訓練を通してグリフォンとワイバーンの特性の違いが分かってきた。
グリフォンはワイバーンより旋回速度が速いが直線でのトップスピードはワイバーンの方が上である。
訓練の効率を考えてクロードは新たにワイバーンと契約して一時的に愛騎をワイバーンにしていた。
基本的な戦術は王都で教えたグリフォン部隊と同じで隊列を整えての突撃戦術と地上への投げ槍の投下である。
将来的には複雑な戦術も出来たほうがいいのだろうが時間も限られているため使う戦術を絞ることにより一定の成果を得る方向だ。
訓練は順調に進み見事な編隊飛行を行えるようになっていた。
鉱山であるグローリアの近辺にも飛行型の魔物が生息しており訓練の成果を確認する為に演習を行うことにした。
セキレイやビタキといった小型の鳥型の魔物をはじめグリフォンなどの中型の飛行できる魔物が飛び交っていた。
１００騎で行動するのも効率が悪いため２０騎ずつに部隊を分けて通過地点で遭遇した魔物を討伐しながら決められたポイントで合流するように指示を出してクロードは一人先行する形で合流ポイントで待機する。
合流ポイントに着く前に魔物に襲われたがクロードは魔法で迎撃してドロップ品を回収する余裕ぶりだった。
合流地点に続々と分けられた部隊が集結し怪我をした者は出たが脱落者はいなかった。
怪我をした者にはクロードが回復魔法をかけることで万全の状態にして訓練を続けさせた。
再び２０騎に分かれ地上襲撃もこなすように指示を出してクロードは一人合流地点を目指す。
少しスパルタ気味ではあるが選抜された兵士達は弱音を吐くことなく訓練に耐えていた。
合流地点に先行したクロードは食事の準備をはじめた。
人数も多いため大鍋に野菜とアースドラゴンの肉を入れて煮込む。
匂いに釣られたのか魔物が出現するがクロードは気配探知で感知しており現れる傍からエアカッターの餌食となった。
食事の準備が終わった頃、分けられた兵士達が合流しはじめたどり着いた者から食事をはじめていた。
最後の部隊も到着し全員が食事をとりはじめたところでクロードは話しはじめる。
「皆さん。お疲れさまでした。本日はここで野営をして明日は日が昇ったら行動開始です」
兵士達はローテーションを組み休みの者から横になり休憩をとりはじめた。
予定よりも編隊を組んで飛行できるまでにかかった時間が遅かったため厳しめの日程ではあるがクロードは学園がはじまったら戻らないとならないためそれまでに戦力として安定させるためには仕方ない部分があったのだ。
