三百二十一話
ついついギターに夢中になってしまったがクロードは砂漠地帯に転移魔法で飛び召喚術の実験を再開した。
使う召喚陣はミスリルと銀で描いたものにとどめ市場で買った物を触媒として利用する。
その結果、触媒として利用したものに関連した生物が召喚されやすいという結論を得られた。
そこでクロードはグリフォンを呼び出して羽を何本か失敬する。
羽を触媒として召喚陣を起動させると狙い通りにグリフォンを呼び出すことに成功した。
グリフォンは野生では獰猛であり力を認めなければ襲いかかってくる。
クロードは素手で相対して襲いかかってきたグリフォンを投げ飛ばし頭を押さえつける。
グリフォンは力関係がわかったのか大人しくなる。
大人しくなったところで契約の儀式にてグリフォンとの契約をして完了だ。
グリフォンを送還すると手元には角笛が残された。
角笛を吹けば先ほど召喚したグリフォンが呼び出されるのだろう。
その後は流れ作業で次々とグリフォンを召喚陣で呼び出し契約を行った。
３０匹ほどグリフォンを確保したところでクロードは寮へと引き上げた。
寮に戻ってきたクロードは今回の検証結果をまとめにかかる。
安定してグリフォンを確保することが出来るという今回の結果は収穫としては十分だった。
ゲーム内の知識で空を飛べる戦力を確保できている国があるのは知っていたがゲルマン王国からは遠い。
そして軍事力の要であることを考えれば輸出してはくれないだろう。
そこに自力で航空戦力を確保する目処が立ったのは喜ばしいことだ。
報告書を仕上げたクロードは王宮には明日向かうことにして眠りについた。
翌日、授業が終わったクロードは王宮へと向かった。
国王陛下のポセイドスは仕事中とのことで宰相のリッチマンが対応してくれた。
「クロード卿。何かありましたか」
「召喚術に関する報告に参りました。詳しくはこちらにまとめてあります」
宰相のリッチマンは報告書に目を通していく。
「なるほど。召喚術をうまく使えば航空戦力を確保することが出来るのですね」
「こちらがグリフォンを契約した結果得られた角笛になります」
「数はいくつ程あるのですかな」
「今回は３０個ほどです」
「試験的に導入するにも丁度よい数ですな。ルーシェン軍務大臣と協議して実験部隊を作りましょう」
宰相のリッチマンはベルを鳴らし秘書官を呼び出す。
「すまないが至急ルーシェン軍務大臣を呼び出してくれ」
「わかりました」
ルーシェン軍務大臣はすぐにやってきた。
