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三十一話

ゲルマン王国の王宮にある宰相室で部屋の主であるリッチマンはある報告書に目を通していた。

「プロミネンス侯爵家の管理するダンジョンでゴブリンロードが発生。居合わせたプロミネンス家三男のクロードが単独で討伐済みか。プロミネンス家の兄弟達は優秀なことで有名だが三男に関しては情報がないな」

リッチマンはベルを鳴らし秘書官を呼び出す。

「すまないが至急プロミネンス侯爵家の三男クロードについて調べてくれ」

「わかりました」


王宮には貴族の出生を記録した貴族禄が保管されている。

功績をあげれば追加情報として記載されていくシステムだ。

秘書官はプロミネンス侯爵家の記録を探しだし三男であるクロードの項目を読む。

そこには生まれた年が書かれているだけで他には情報がなかった。


「プロミネンス侯爵家の三男クロードですが生まれた年以外の情報はありませんでした。記録が正しければ今年で5歳になるはずです」

「ご苦労。下がってよいぞ」

「失礼いたします」

リッチマンは頭を抱えていた。

プロミネンス侯爵家の報告を真に受けるなら5歳の子供がゴブリンロードを討伐したということになる。

考えていてもしかたないと国王の執務室に向かうべく部屋を後にする。


リッチマンは国王の執務室を警護する兵士に来訪の取次を頼み待機する。

「すぐにお会いするとのことです」

「わかった」

礼儀として服装を見直しおかしなところがないのを確認して入室する。

「陛下。失礼いたします」

「お主が訪ねてくるのは珍しいな。何かあったのか」

「プロミネンス侯爵家の管理するダンジョンにゴブリンロードが発生いたしました」

「そうか。援軍の要請でもきたのかな」

「いえ既に討伐済みとのことですが不可解な報告があがってきまして」

「不可解な報告とは」

「プロミネンス侯爵家の三男クロードが単独で討伐したとのことなのです」

「クロードとは聞かん名だな」

「貴族録で確認したところまだ5歳の子供とのことです」

「確かに不可解だな。しかしファイネルの奴が虚偽を申告してくるとは考えにくい」

「どうしましょうか」

「事実だとして進めるが三男では最悪出奔する可能性もあるか。爵位を授け取り込みたい」

「どれぐらいの爵位を与えましょうか」

「5歳の子供だというし取りあえず騎士爵を授け今後の活躍次第では爵位を上げていけばいいだろう」

「騎士爵とはいえ反発する貴族が出そうですな」

「それを抑えるのが私とそちの仕事であろう」

「おっしゃる通りですな。職務のほうはどういたしましょうか」

「職務は与えなくてよいだろう。王国に縛れればそれでよい」

「かしこまりました」

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 爵位というのは、受け取った後返還できるものなのかな?取り上げることができるんだから、返還もできると思うが。
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