二百十二話
クロードは体力がつきる前になんとか騎士団との合流を果たしていた。
「クロード様。お疲れ様です」
「原因は取り除いたから後はタートル系の魔物を討伐すればいいだけです。僕は連戦で疲れているから休ませてもらうね」
「了解しました。硬くてタフですが動きは遅いので我々だけでもなんとかなりそうです」
クロードは交代で休んでいる騎士団員達に交ざって食事を取った後眠りについた。
クロードが眠っている間も騎士団は精力的にタートル系の魔物の討伐を進めていた。
というのもクロードに内緒でどの騎士団が一番討伐出来るかを勝負していたのである。
勝てば酒代がタダとなるとあって士気があがっていた。
シルフィード皇国側も手を拱いているわけではなく投入できる戦力を全て投入しており魔物の氾濫は急速に事態の解決を見ることとなる。
クロードと騎士団は後は任せてほしいと言われて帰国の途についていた。
シルフィード皇国は今回のことでゲルマン王国に大きな借りが出来たこととなりゲルマン王国との融和政策を取っていくこととなる。
ゲルマン王国との友好とは逆に周辺国からは非難されることとなり圧力をかけられることになるがそれはまた別の話である。
ニーパス領に騎士団と共に戻ったクロードは報告のために転移魔法で王宮へと向かっていた。
王宮に到着すると国王陛下であるポセイドスの執務室に通され事態の報告を行う。
「無事に原因となったタートルクイーンの討伐を完了しました。まだ残っているタートル種の魔物はいますが後はシルフィード皇国だけでも討伐できるでしょう」
「無事に戻ってきてなによりだ」
「こちらが討伐したタートルクイーンとタートルジェネラルの魔石となります」
「確かに受け取った。後ほど代金を支払わせよう」
「ありがとうございます」
「火急の用件で学園を休ませることとなったが学園側には配慮するように伝えてあるから安心してほしい」
「ご配慮いただきありがとうございます」
学園では定期試験が行われている頃でありこの配慮は素直にありがたかった。
「後は外務省の仕事となる。下がってよいぞ」
「失礼いたします」
タートルクイーンとタートルジェネラルの魔石の代金を財務省で受け取り王宮を辞したクロードは学園へと向かった。
学園に到着したクロードは職員室を訪ねる。
担任であるレイシャ先生は試験の採点をしている最中だったがクロードの相手をしてくれる。
「クロード君の能力なら試験なんて無意味だと思うけど受けるかしら」
「学生の義務ですから受けますよ」
「わかったわ。先生が付き合ってあげるからいっきに片付けてしまいましょう」
こうしてクロードは無事定期試験を受けることができたのである。




