二百二話
クロードとクラスメイト達は授業を終えて放課後。
武闘祭の本戦に進んだメンバーのみで本戦に向けて調整を行っていた。
模擬戦を中心に行いそれぞれが課題を見つけて取り組んでいる。
激しくぶつかり怪我をするときもあるがクロードが回復魔法を使うことで密度の高い時間を過ごすことができていた。
あっという間に週末となりいよいよ武闘祭の本戦の当日となる。
クロードとエリーゼが少し早い時間に演習場に向かうと他の本戦に進んだ生徒も最終確認や素振りなどを行っていた。
クロードとエリーゼも混ざり素振りを行う。
体の具合を確かめ温めていく。
「エリーゼ。調子はどうですか」
「悪くないわ」
「お互い頑張りましょう」
「ええ」
後は試合の始まるのを待つばかりである。
国王陛下であるポセイドスは宰相のリッチマンを引き連れお忍びで学園へとやってきていた。
娘であるエリーゼが本戦に進んだと聞いて活躍を見るためである。
近衛騎士団はスカウトのためだけでなく国王陛下であるポセイドスの邪魔をしないようにしつつも護衛をするという仕事を割り振られることとなる。
理事長であるサイネルが本戦を前に挨拶を行っていた。
「栄えある武闘祭本戦に進んだ諸君おめでとう。今年度は技術の高い生徒が多く大いに武闘祭を盛り上げてくれていることに感謝する。日頃の鍛錬の結果を遺憾なく発揮して頑張ってほしい」
「それでは初等部の本戦から開始します。出場する生徒は集まってください」
「それじゃ。いってくるわね」
「頑張ってきてください」
エリーゼは何の気負いもなく歩いていく。
本戦は初等部の全試合が行われた後中等部と高等部の本戦予選が行われる。
そして次の日勝ち抜いた中等部と高等部の生徒の試合が行われる予定だ。
初等部の本戦に進んだ生徒の多くは槍を持っており細剣の使い手であるエリーゼは一見不利であるがエリーゼは技術力で勝っており冷静に隙を伺うことで確実に勝利を収めていた。
国王陛下であるポセイドスは娘の成長が嬉しい反面驚いていた。
「入学して半年もまだ経っていないというのにここまで強くなるものなのか」
「エリーゼ様からは余裕を感じますね」
「クロード卿と休日のたびダンジョンに潜っていたようですからね。ステータスの伸びに加えて日々の鍛錬を怠っていない結果でしょう」
「サイネルか。クロードの人を育てる能力をどうみる」
「クロード卿が教えたというクラスメイトのレベルも高いですし本物かと。このまま教員として欲しいぐらいですよ」
「お主にそこまで言わせるとは相当だな」
誤字脱字のご報告ありがとうございます。
頑張って執筆していきますので今後ともよろしくお願いいたします。
