百九十二話
クロードとエリーゼはダンジョンの安全地帯にたどり着いていた。
ゴブリンと違い蛙系の魔物は肝などが錬金術の素材となることでお金になるため多くの冒険者が休んでいた。
「エリーゼは疲れているでしょう。食事の準備をするので休んでいてください」
「うん・・・」
肉体的にも疲れていたが精神的に大いに疲労しているエリーゼだった。
そんなエリーゼのためにクロードは野菜を切って倒した蛙系の魔物の肉を食べやすい大きさにカットして一緒に鍋で煮込む。
味付けはシンプルに塩を適量加えて味を調えれば完成だ。
「エリーゼ。出来ましたよ」
お椀によそってエリーゼに渡し自分の分をよそる。
「クロードの作る料理はいつも美味しいわ」
「そう言ってもらえると嬉しいですね」
エリーゼはお代わりもして十分にお腹を満たしたら眠くなったようでそのまま寝てしまう。
クロードは少し追い込みすぎたかなと反省しつつも食後のお茶を飲んでいた。
エリーゼは蛙怖いのじゃと寝言を言っているがスヤスヤと眠っている。
クロードはそれを見守りつつ教材の作成をしていた。
誰がどこで詰まっているのかを教員から教えてもらっておりそういった箇所のヒントなどもきっちり書き込んで対応したものに仕上げていく。
教材に一区切りついたところで伸びをして紅茶に口をつける。
時間が余ったのでクロードは錬金鍋を取り出して蛙達が落とした素材を加工していく。
手慣れた作業でありクロードは目分量でも失敗することなくタンタンと作業をこなす。
作業が終わった頃エリーゼが起きたので昨日の残りの鍋を温めて朝食を取る。
「美味しかったわ。この後蛙の相手をしないといけないと考えると憂鬱になるけど」
「武闘祭で優勝するためです。頑張りましょう」
2層に突入したクロードとエリーゼは順調に討伐を繰り返していく。
慣れたのかそれともこれが一番効率がいいと悟ったのかエリーゼの動きに無駄がなくなっていき大量の蛙系魔物は経験値となって消えていった。
クロードとエリーゼは時間となったので転移魔法でダンジョンの外に出て再び寮へと転移魔法で飛ぶ。
「エリーゼ。お疲れさまでした」
「ようやっと地獄から解放されるのじゃ」
「無駄な動きもなくなりましたしかなり強くなったと思いますよ」
「あんなに大変な思いをしたのだから強くなってなかったら困ります」
「明日からも頑張っていきましょう」
「はい。よろしくお願いしますね」
「それではおやすみなさい」
「おやすみなさいです」
エリーゼとクロードはそれぞれ寮へと戻るのだった。




