百八十一話
クロードが教室に向かうとクラスメイト達が騒いでいた。
「エリーゼ。おはよう。皆は何の話をしているの」
「もうすぐ武闘大会があるからそれで騒いでいるのよ」
「エリーゼは参加するの」
「クロードが鍛えてくれたから腕試しに参加する予定よ」
レイシャ先生がやってくる。
「はい。皆席に着いて」
騒いでいたクラスメイト達は急いで席に着く。
「もう皆も知っていると思うけど武闘大会が開催されます。参加を希望する人は申し込みを忘れないようにね」
「はい」
「それでクロード君だけど参加するのかしら」
「参加してみようと思っていますが」
「クロード君に関しては高等部の試合に参加することになるけどいいかしら」
「それで構いません」
「わかったわ。質問がなければ伝達事項を終わります」
質問はないようで皆次の授業に向けて移動をはじめる。
「次の授業は演習場だったよね」
「急がないと遅れるわよ」
演習場ではそれぞれ得意とする武器を構えたクラスメイト達がいた。
クロードは剣を選んで皆に交ざる。
そこに担当の教師がやってくる。
「武闘大会も近いということで今日は先生とクロードと模擬戦を行ってもらう」
教師側には男子生徒がクロードの方には女子生徒が列を作り並ぶ。
クロードは軽く体を動かして動きを確認して並んでいる女子生徒の相手をする。
相手の動きに合わせて攻撃を捌きながらアドバイスを送る。
「突きを放ったらすぐに引き戻してください」
「はい」
「攻撃を防がれても慌てずに」
「はい」
「ここまでです」
「はぁ~。クロード君はやっぱり強いわね。ありがとうございました」
いつの間にかエリーゼの番となり相対する。
エリーゼは使い手の少ない細剣を構えている。
「はじめようか」
「いくわよ」
エリーゼはスピードの乗った突きを繰り出してくる。
それを剣で弾きながらエリーゼの悪い箇所を探す。
エリーゼは防御に向かない細剣であることで防御に回ったら負けると言わんばかりに連撃を繰り出してくる。
エリーゼが渾身の一撃を放ってくるがそれを大きく弾き隙が出来た所を攻撃するがバックステップで避ける。
態勢を整えたエリーゼは再び攻撃を再開してくる。
クロードは大きく下がり模擬戦の終了を告げる。
「ここまでにしようか」
「クロードに一撃も入れられなかったわ」
「全体的によく動けているよ。後は経験を積めばもっと伸びると思うよ」
「手加減されているのがわかるだけに悔しいわ」
「エリーゼはなんで細剣を選んだのかな」
「重い剣は持てなかったのよ。それで重量の軽い細剣を選んだの」
「なるほどね。長年の修行の成果がよく出ていたと思うよ」
その後も女子生徒の指導を続けるクロードだった。
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