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十四話

クロードはカリオンと共に街の近くの森の入り口に来ていた。

冒険者が頻繁に出入りし騎士団も定期的に間引きをしているため難易度としてはそこまで高くない。

「クロード様。森での戦闘は足場の悪さに生い茂る草木を考慮して動いてください。複数の魔物と遭遇した際には魔法の使用を許可します」

「はい」

クロードは緊張しつつも森の中に足を踏み入れる。

しばらく進むとショートスネークという蛇型の魔物が木の上から襲いかかってくる。

魔物は地面の上にいるのだと思っていたクロードは不意を突かれた形だが冷静に対処して剣を振るい斬り捨てる。

「魔物は地面の上を移動しているものばかりだと思っていたら違うのですね」

「森の中では360度どこから襲いかかってくるかわからないので気を抜かないようにしてください」

魔石を回収して全方位を警戒しながら奥を目指して進んでいく。

その後も蜘蛛や芋虫型の魔物などと戦闘を繰り返しながら歩を進めていく。


「クロード様。この辺りから冒険者があまり足を踏み入れない領域になります。魔物も複数でいることが多いので気を付けてください」

「わかりました」

クロードは思っていたより手ごたえがなく緩んでいた気を引き締め直す。


しばらく進んでいるとカリオンが肩に手を置いて無言のままある方向を指さす。

指さされた方向を見れば4匹のゴブリンがいた。

クロードは頷き気付かれないぎりぎりまで近寄り魔法を多重詠唱で用意して放つ。

最初に覚えた魔法として火系統の魔法を得意としているのだが森の中で火魔法を扱うわけにはいかず使用する魔法は風魔法のエアカッターだ。

魔法で作りだされた風の刃は狙い違わずゴブリンを殲滅する。

「クロード様。お見事です」

ゴブリンの落とした魔石を素早く回収して周囲を警戒する。

音に反応したのか何かが高速でこちらに近づいてきているのに気づいて身構える。

現れたのはウルフだ。

先頭のウルフを剣で斬り裂き後続に備える。

最初の一頭がやすやすと処理されて警戒しているのか距離をとりじわじわと距離をつめてくる。

剣を構えて飛びつきに注意しつつもエアカッターを放つ。

エアカッターはウルフの首に吸い込まれるように命中する。

距離を取っていては魔法の餌食になると判断したのか次々と飛び出し襲い掛かってくる。

足場は柔らかい土でいい状態とは言えないので十分注意して飛びかかってきたウルフを剣で流れるように仕留めていく。

最後の1匹を仕留めてクロードはフウと息をつく。


カリオンは一連の流れをみて舌を巻く。

注意力はまだまだだがそれは経験を積めば解決されるだろう。

ウルフに強襲された後の対応はパーフェクトに近い。

この子はどこまで成長していくのだろうか。

成長が楽しみであり恐ろしくもあった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 主人公のような存在は英雄扱いされるか化け物扱いされる事が多いですね。 身分が高いので、化け物として排除という事にはなり難いとは思いますが、王家の判断次第ですかね。 実際に、封建社会における権…
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