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十二話

師匠であるカリオンと模擬戦をはじめて2か月。

修練をはじめて3か月が経とうとしている。

今では様々な人を相手にして経験を積むべきだとして騎士団の人達と模擬戦をするようになっていた。

カリオンは僕を導いてくれた偉大な師なのだけど騎士団では鬼教官と呼ばれているようで僕を連れて騎士団の敷地に足を踏み入れた時の団員達の顔は忘れられない思い出だ。

プロミネンス家の抱える騎士団は基本の装備は剣と槍なのだが一部の人は斧であったり鈍器であったり特別に許可を得て特殊な武器を標準装備としている人達がおり空き時間を使って指導をお願いして今ではある程度そういった武器も扱えるようになっている。


カリオンは悩んでいた。多くの騎士団員と戦うことでクロードはメキメキと実力を伸ばしている。

魔法の腕も中級の魔法を簡単に扱え多重詠唱など小手先の技も覚えこれ以上の経験を積ませるなら訓練場では厳しい。

普通であれば実践経験を積ませるために魔物の討伐を視野に入れるべきだろう。

だがクロードはまだ5歳なのだ。

魔物とはいえそんなクロードに命のやり取りをさせてもいいのだろうか。

「カリオン。悩んでるようだな」

「バンネル団長。わかりますか」

「クロードの坊ちゃんの才能は凄まじい。多くの団員が子供に負けるわけにはいかないと今まで以上に必死に訓練に励むようになった。喜ばしい変化だ」

「そうですね」

「でもな。訓練で身につけられる技術と命のやり取りを通して得られる経験はやはり違う。肉を斬る感触。骨を断つ衝撃。そういったもので躓く奴がいるのも確かだ。ここでは強引にでも慣れさせるわけだが経験させるなら早い方がいいとは思わないか」

「そうは言いますがまだ5歳なのですよ。大きなトラウマにならないか心配で」

「団員達とは体格も大きく違うってのに恐れる様子もねぇ。自慢の弟子を信じてやれ」

団長のアドバイスで心を決める。

潰れそうならフォローを徹底するしかないのだと。

「そうですね。侯爵様の許可を得てからになりますが行ってみようと思います」

「騎士団から補助を出すことも可能だが必要か」

「最初は草原で低位の魔物を相手にさせようと思いますので大丈夫です」

「そうか。必要ならいつでも声をかけてくれ」

バンネル団長は手をヒラヒラと振りながら去っていく。

プロミネンス家の抱える騎士団は訓練と周辺の環境維持の為に定期的に魔物の討伐をしている。

その名声は近衛騎士団とも肩を並べると言われるほどだ。

そんな団員達と模擬戦を繰り返したクロードの実力は恐ろしいことになっていた。



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