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S:拗ねているときは何もかもを拒絶したくなるものだ
正直、感心した。
彼の話は面白かったと思う。
周りのあの臆病者の人形みたいに拍手をしたかった……。
でもできない。
今は黒いのだ。この色は厄介なのだ。
「う、くっ」
この胸や腹の奥から湧き上がってくるものは何だろう。破壊衝動を促進させ、すべてを拒絶したくなるような、溢れ続ける感情は何といえばいいのだろうか?
苦しいわけではない。
しかし、抑え込むことができないのだ。
「うううううぅぅぅ……」
この自分の体質のおかげで、感情を抑えるのは難しい。が、それでも永い時を経て慣れてきた。
それでも、感じ慣れていないこの感情と付き合うのは難しい。
この感情になれることはこれから無い。そんな気さえする。
「はあっ、はあっ」
何を抑えられるわけでもないのに、地面を殴りつける。
これに流されれば楽なのだろう。
しかし、彼の話は面白かった。
あの臆病者め。どこへ逃げた!
なんでこうなってしまったのだ。なぜこんな生まれなのか。
「はは、ははははははっ」
うずくまったまま、乾いた笑いが出てくる。
…………そして、体が爆発した。自分の身体がはじけ飛んだわけではない。
体が勝手にうごく。
やっぱり、こうすると楽なんだ。




