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才能無し、才能を憎む~何なら俺以下いない~  作者: 翡翠果実
動乱の種が爆ぜる時、空の導は地に落ち、無尽の石棺は消える。
39/98

S:拗ねているときは何もかもを拒絶したくなるものだ

 正直、感心した。

 彼の話は面白かったと思う。

 周りのあの臆病者の人形みたいに拍手をしたかった……。


 でもできない。

 今は()()のだ。この色は厄介なのだ。


「う、くっ」


 この胸や腹の奥から湧き上がってくるものは何だろう。破壊衝動を促進させ、すべてを拒絶したくなるような、溢れ続ける感情は何といえばいいのだろうか?

 苦しいわけではない。

 しかし、抑え込むことができないのだ。


「うううううぅぅぅ……」


 この自分の体質のおかげで、感情を抑えるのは難しい。が、それでも永い時を経て慣れてきた。

 それでも、感じ慣れていないこの感情と付き合うのは難しい。

 この感情になれることはこれから無い。そんな気さえする。


「はあっ、はあっ」


 何を抑えられるわけでもないのに、地面を殴りつける。

 これに流されれば楽なのだろう。

 しかし、彼の話は面白かった。

 あの臆病者め。どこへ逃げた!

 なんでこうなってしまったのだ。なぜこんな生まれなのか。


「はは、ははははははっ」


 うずくまったまま、乾いた笑いが出てくる。


 …………そして、体が爆発した。自分の身体がはじけ飛んだわけではない。

 体が勝手にうごく。


 やっぱり、こうすると楽なんだ。

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