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才能無し、才能を憎む~何なら俺以下いない~  作者: 翡翠果実
動乱の種が爆ぜる時、空の導は地に落ち、無尽の石棺は消える。
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とりあえず一日

グダグダしていたら、かなり遅くなりました。まだまだ稚拙な文章ですが頑張ります。

製造不能の超技術(ロストアーツ)?なんですかそれは?」


 今しれっとこの世界?の名前が出てきたな


「……説明は長くなる。椅子と茶の用意ができた。まずは座って話そう。ついてこい」

「さっき言ってた確認というのは?」

「わしがお主を従属していることじゃ。それはすんだじゃろ」


 そう言われ、フレニアに連れられ部屋を後にした。

 用意された部屋までの距離はあまりなく、廊下を通って数部屋隣ほどだった。廊下は先ほどの部屋もそうであったが、石のレンガでできていて、窓はなかった。見た感じで光源となるものはなさそうなのに明るかった。


「この部屋じゃ。入れ」


 フレニアが扉を開けながら言う。こっちは向かない。彼女が入ったので続いて入った。

 部屋の内装はやはり石で作られていたが、さっきまでと違い、ふかふかな絨毯、暖炉、彫り飾りが施された家具など、詳しくない人間が見ても豪華とわかる作りであった。部屋の真ん中には大きめのテーブルと、それを挟み込むようにソファが置かれていた。しかし片方のソファは明らかにほかの家具に比べ安いものだった。彼女は高級に見えるほうに座った。


「まあ、座るとよい」


 えー?安いほうに?


「嫌か?顔に出ておるぞ。どんなとこから来たかは知らんがこの世界ではすぐ思ったことを顔に出すのはやめておいたほうが良いぞ」

「あ、はい。以後気を付けます」

「よろしい」


 俺が渋々座ると同じくらいのタイミングに扉からノックが聞こえた。


「お茶が入りました」


 すると、さっきプロコーピーと呼ばれた、熊の人形に見える服装の大男が入ってきた。


「さて製造不能の超技術(ロストアーツ)の話じゃが……どこから話そうかの」

「この世界のことを理解していただくには一から説明するのが最善かと…」

「そうじゃな。まずこの世界についてじゃな」


~10分ほど後~


「…と、いうわけじゃ」

「つまりどういうことだってばよ」

「聞いてなかったのか?」

「いや、長くてよくわからなかったというか。もう一度まとめて説明をお願いします」

「あ?面倒くさい。断る」

「えぇ…」

「フレニア様、この場合あなたに非があります。あなたの説明は回りくどいのです。前から言っているでしょう」

「むう。それではプロクがしてくれ」


 フレニアが落ち込んでいる。小言を言われたら怒る性格だと思ったが、どうやら違うようだ。


「承りました。それではシルベスタ様。私から説明をいたします」


 あーシルベスタのことは決定なんだ…

 …ん?なんでこいつがシルベスタのことを知ってるんだ?


「まずフレニア様のことについてですが、彼女は『精神』を司ることを神より託された魔人であり、他人の『精神』への干渉ができるのです。つまりテレパシーが使えるのです。ちなみに、あなたが私たちが話している言葉をあなたが話せる言語ではないのに理解できるのも、フレニア様の権能でございます」

「なるほどねえ」


 そういうことだったのか。


「…ちょっと待ってください、この世界には神がいるんですか?」


 そう言うとプロコーピーとフレニアが顔を合わせた。疑問に思っていることがうかがえるような雰囲気だった。


「……逆に聞くが、お前の世界に神はいないのか…?」

「かつては信じられていて、説明のつかないことを神がやったとして信仰の対象になっていたようです…。ですが私の生きていた時代では技術が進歩して、大抵のことがわかるようになって、神というものはいない。と一般的に認識されていました」

「なるほどな。神がいない世界……いや、いなくなったとも考えられるか」


 フレニアはその後ずっと黙り込んでしまった。

 …ふむ、ひょっとしてここはもしかしなくてもファンタジーな世界なのでは?というかそうだろ!いやー、ワクワクしてきたな。


「シルベスタ様」


 エルフやケモミミの子もいる可能性があるのか。すまんな友たちよ俺は一足先に見てくるぜ!夢というやつを!


「シルベスタ様!」

「…!はいっ!」

「シルベスタ様。この名前に慣れていないのもわかりますが、考え事で他人の呼びかけに気付けない、ということは起こらないようにしていただけますか?」

「…はい。すみませんでした」

「フレニア様があなたに改名を命じられた理由はこの世界で怪しまれないように、と考えられたゆえなのです。なので、いち早く慣れていただく必要があるのです。…………多分」


 自信がないのは分かった。それにしてもまだフレニアは考え事をしているようだ。


「気を取りなおして、この世界、ブリムズについて説明いたしましょう。まずこの世界は、過去に複数の大帝国の戦争によって文明が衰退しております。滅んだと言ったほうが適当かもしれません。ともかく、その大帝国の技術、遺産が製造不能の超技術(ロストアーツ)でございます。そして、その製造不能の超技術(ロストアーツ)をすべて破壊することが、()()の望みであり、あなたの解放条件でございます。私達というのは後程説明するとして、理解できましたでしょうか?」

「はい、理解できました。()()()()()()説明を、ありがとうございました」

「おい、なぜわかりやすいの部分を強調した?返事によっては…わかってるな?」

「シルベスタ様、フレニア様の説明が回りくどくなった原因である物事の話も聞かれますか?」

「あ、はい。お願いします」

「おい!二人して無視するんじゃない!特にプロク!お前わしの従者じゃろ!主人は敬え!」


 すると、プロコーピーはフレニアのほうを見る。が、すぐこっちを見て話しを続けた。


「気を取りなおして、話をいたしましょう」


 フレニアはショックを受けたような顔をした。そして机に突っ伏した。

 無視をした自分が言うのもあれだが、少しかわいそうな気もした。


~5分ほど後~


「…という旨のことをフレニア様は話していました」

「なるほど」


 大まかにまとめると、俺は人手確保のために異世界、つまり地球のことだな、から呼び出された。そして、これは対等な立場での召喚でなく、俺が従属するという立場での召喚である。俺が解放され、地球に戻るには、フレニア達の要求である、昔の帝国の遺産をすべて破壊することらしい。

 フレニアは七魔人と呼ばれる集団の一人で、七魔人というやつらが、結託してその遺産を破壊しようとしているらしい。この世界には神がいて、その神から特別な能力を七魔人の各々はもらっているらしい。フレニアのは『精神』であり、直接会ったことがなくても大勢の人の判断などを少しだけ自分に有利に働かせることができるほど強力らしい。

 そして、プロコーピーと呼ばれたものは、熊の人形であるらしく、大男ではないそうだ。どうやって熊の人形がしゃべったり、動いたりしているかは教えてくれなかった。

 プロコーピーが説明している間、フレニアはずっとめそめそしていた。


「さて、これからどうするかの判断は主であるフレニア様にしていただきたいのですが…」


 フレニアは机に突っ伏したまま寝ている…

 マイペースすぎないか?


「…とりあえず、今日はお休みください。召喚に応じた後なので、多少は疲れているでしょう。ついてきてくださいませ。案内いたします」


 と、プロコーピーは言い、扉を開けた。俺は席を立って後についていった。

 廊下を進み、左に曲がった突き当りに上り階段があった。その階段を登りきると、木造の部屋になっていた。その部屋には窓がついていたので外を見てみると、1階であることが分かった。さっきの部屋は地下だったのか。外の風景は森であるということしかわからなかった。時間帯は夕方だろうか、空が橙色だった。改めて部屋を見回すと、本が本棚にも、床にも積まれていたりということが分かった。隣の部屋へ行くと、玄関らしき扉と、大きならせん階段が目に入った。らせん階段を上ったら、そこそこ広めの広場のようなところで、それ囲うように八方に扉があった。一つだけ明らかにフレニアの部屋であろう扉があり、その対面が俺の部屋だそうだ。


「それでは、いろいろ考えることが多いとは思いますが、とりあえず今後については明日にしましょう」

「わかりました」

「それでは、また明日。あ、私のことは是非、プロクとお呼びください」


 プロコーピーはそう言った後、お辞儀をした後、丁寧に扉を閉じた。

 改めて部屋を見回すと家具などはかなり質素だったが、最低限のものはそろっていた。かなりホコリ臭かったが、住めないことはなさそうだ。クローゼットがあったので、開けてみた。まあ、何も入ってなかった。ふと自分がどんな格好をしてるか気になったので、横にあった姿見を見てみた。すると、こっちに来る前に着ていた、学校の制服でなく、これまた質素な、いかにも昔のヨーロッパの人みたいな服だった。着心地はそんなに悪くなかったので、そのまま寝ることにした。部屋の奥に進むと、ベッドがあり、ベッドの足が向く方に窓があったので、もう一度外を見てみた。外は暗くなり始めているころだった。森以外に何か見れないかと思ったが、木が高く見ることはできなかった。

 他にすることもなかったので、仕方なくベッドに横になった。窓のカーテンを閉じると、明かりが他になかったため、部屋が結構暗くなった。疲れていたのか、すぐに睡魔が襲ってきた。今日はこのまま寝るとしよう。

次の投稿も遅くなると思います。ですが、まだ書く気はあるので、気になる人は気長に待ってください。

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