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運命 〜いつになれば晴れる〜

作者: 南野秀一

初めは何も知らずに付き合って、いつの間にか『影』になってしまってる男の気持ちとして お読み下さい

俺には付き合っている人がいる。

俺が21才の時から付き合ってる人が…。

何を…誰を差し置いてでも大事にしたい最高の宝物だ。


…けど…今の状態…

信じたい、信じたい…苦しい…けど…、信じたい …彼女が嘘を言ってるようには思えないし、俺には嘘をついた事なんか一度もない…から信じたい。




俺は今、訳あって彼女の家で 姉夫婦と一緒に暮らしている。


彼女からは「義理の兄さんと実姉と甥っ子(3人)と私…6人で暮らしてるんだけど、よかったら私らと一緒に暮らそうよ」て言われたから、俺も「ずっと彼女と一緒に居れるんなら そう方がいい」と思って…今 一緒に暮らしてます。


一緒に暮らし初めて…最初に彼女に言われてビックリしたのが…「甥っ子らは私の事をお母さんて呼んでるけど気にしないでね」て言われた事や。

そしたら…本当に甥っ子らは俺の彼女の事を「お母さん、お母さん」と呼んでるのだ。

なぜ甥っ子らが『お母さん』て呼ぶのか彼女に聞くと、…

「私の実姉は看護婦やねんけど、仕事一筋人間やから…この子らが産まれて10日目に私に預けて仕事に行ってしまってん」て言ってた。

「世の中には酷い母親も居るねんなぁ、普通…産まれて10日そこそこの自分の子供を人に預けて仕事なんか行かへんぞ」て思いながら…でも、彼女の手前…お姉さんの事を悪くは言えなかった。


んで、肝心なお姉さんは…というと、仕事でそのまま東京へ行ったきり…らしいのだ。

だから、甥っ子らは彼女の事を『お母さん』と呼ぶようになってしまった。

おまけに、お義兄さんと思ってた人は…俺の彼女の『旦那』になってしまってる始末…。いや、…詳しくは…甥っ子らが お義兄さんを『パパ』と呼ぶようになっているからだ。

だって…本当の母親(彼女の姉)は、甥っ子らが産まれてすぐ…彼女に預けて東京へ行ってしまったんだから。


だから本当は…彼女は『俺のもん』なわけで、決して…母親じゃない。


でも…それから数年が経ち、甥っ子らも自分の恋人を家に連れてくるようになり、俺の彼女の事を『お母さん』として、自分の恋人に紹介している…始末。


それだけに留まらず、甥っ子の学校の先生も家庭訪問の時…俺の彼女を「お母さん…」て言いながら会話している。


これじゃ まるで俺が不倫してるみたいやん。事実は そんなんじゃないのに。


世間へ出ても…例えば、病院へ行った時も…俺の彼女は『奥さん』、お義兄さんは『旦那さん』などと呼ばれている。


まぁ 俺の彼女は どこ行くにしても、実姉の保険証を使ってるから…「奥さん」…て呼ばれるのは自然なんだけどね。


でも…俺の不満や悩みは彼女には言えないのだ…いや、言っても何も変わらないし、仕方ない事だし、…第一、彼女は『うつ病』になってるから…言ったらアカンと思う。



…俺って…いつまでたっても『影』の存在…なのかなぁ?…。



…これも運命か…。

…俺には『運命という敵』が多すぎる。

『運命』なんか跳ね飛ばしたるて思って立ち向かうのだが、…


…『勝てない』…



無惨にも…潰されそうになっている。


…いや、


…もう…潰されるのも…時間の問題…かな。



もう…あの頃の二人には戻れない…のか

温もりを…失っていく…消えていく



狂いそうになりながらも必死に耐えてきた…のに…

もう そろそろ…限界…かな


でも…俺の中で『君を愛してる』ていう気持ちと

『俺に嘘をつくハズがない』ていう気持ちが…俺を留めてる

奮いたたせてる




Ah…叫びたい



彼女は『お母さん』では ないよ

俺は『影』では ないよ… と。


…それと、…支払いの件にしても そうだ


いつも俺が滞納の電話をしている


本来なら、彼女の『旦那』を語ってる お兄義さんが すればいいのに…


『本当の旦那』なら そういうのを するのが普通では ないのか。


それなのに、『影』の俺が全部やってる。

どう考えても おかしいやろ。


そういう事からして…全く不愉快だ。

以前から よくお兄義さんや彼女が言ってた「相手の為を想う嘘なら完璧につけ、中途半端な嘘は…相手が見破った時に傷をつけてしまう」と。

…なんか最近、その言葉の意味がリアルに分かってきた気がする


甥っ子たちよ…その言葉の意味に気付いてくれ


お兄義さん…自分のチンケなプライド(世間体ばかり気にする)なんか捨てて下さい。

本当の嫁(彼女の実姉)が仕事の為に東京へ行ってしまった のか、あるいは逃げられた のか…それは分からないけど、…自分達のせいやのに…『俺と彼女』を犠牲にしないで下さい。

俺も彼女も まだ若いんです。

俺らの人生を 引き裂くのは止めてくれ。

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