おまけ。①パート練習(フルート、オーボエ、クラリネット)
「ふぅ…はぁ〜!」
〈プふゅぃ〜〜!〉
真央が、一生懸命息を吸い、思いっきり息をいれる。
「あー、音鳴らないよー。」
隣では、紗江が顔を真っ赤にしながら、なんとか楽器の音を出している。
〈プゥォー。〉
「ぷはぁ!」
「2人とも、大丈夫?」
2人の前に立ち、心配そうに 柚が話しかける。
柚は、小学校4年生からクラリネットをやっていて、手には自分のクラリネットを大切そうに持っている。
「柚せんぱ〜い、フルートって、難しすぎません?」
「う〜ん、でもね、実はオーボエは世界一難しい木管楽器って言われてるんだ。」
と、紗江が知らなかった、と言う顔をする。
「紗江ちゃん、オーボエ吹きにくいなって思わない?」
「確かに、息があんまり入らない気がします……。」
「えぇ〜!?そうなの?!」
柚は、ちょっと待ってて、と言い、予備のオーボエを持ってきた。
「私ね、吹き方のコツとかわかるんだけど、先生に教えてあげてって言われてるんだ。今からちょっと教えるね。」
「ありがとうございます!」
「え、いいな〜!私も教えて欲しいです!!」
と、サックスの美香がフルートの頭部間をもって部屋に入ってきた。
「えーっと、真央ちゃんはうちが教えるねー。」
「え、でも美香先輩サックスなんじゃ……。」
美香は、アルトサックスとテナーサックス、たまにソプラノサックスを、と、3つの楽器を使いこなしている。
「こうみえてもね、私去年フルートちょっとだけ吹いてたんだよ。人数足らなくてさ。」
と、ペロッと舌を出す。
「はい!お願いします!」