4/9
この部活の謎。
「はぁーあ。」
と、莉音はユーフォを膝に置き、ため息をついた。
「なんだよ。ため息ついて。」
康太も大きなチューバを膝に置く。
「いや、またこうくんと一緒だなって。」
「一緒で悪かったな!」
「あははは!」
「つーかさ、ユーフォ・チューバが俺ら2人だけって、どんだけ人数少ないんだよ。」
「ほんとにねー。」
「まぁ、またこれから2年半、ずーっと一緒だもんな。」
「まぁ、またよろしくねー。こうくん。」
「はいはい。」
「ふぅ。」
莉音は準備室にクロスをとりに来た。
『そういえば、この吹部ってコンクールどうやるんだろう。』
と、準備室に飾られていたコンクールの写真を見つけた。そこに写っていたのは、満面の笑みでピースサインをする少女達の姿だった。今よりもはるかに人数が多かった。日付は……なんと去年だった。
『え!?これって去年のコンクールってこと!?これって、……2、3年生がいっぱいいるよね……。てことは、コンクールの後に集団退部したとか……。』
莉音はハッとなり、ブンブンと頭を振った。
『考えるのはやめよう。』
そう思った。