顔面破壊論
それにしても、最近、男の癒やしがすっかり減っちまったねえ。男が嗜むエロスはいまだに肩身せまいのに、なんでBL系は、あんなにも堂々と市民権を得ているのか。ショタ虐待なの結構あるぞ。少年マンガにも、どんどん女子受け要素が浸食してきて、もはや、少年マンガではなく、中性マンガと呼びたくなるような作品が溢れている。
基準は筋肉の量ですね。今の少年漫画には筋肉が足りない!うおおおお!もっと筋肉を!もっと筋肉を!
もはや、自分が安心して楽しめる全部雄臭い少年マンガ雑誌は、週刊少年チャンピオンしか残っていないのか? (「刃牙道」最高!「鮫島、最後の十五日間」はガチで傑作!)
オレが気にいらない、最近の少年マンガの女子受け要素をひとつ紹介しよう。
具体的な作品名は言わない。
イケメンが戦うマンガである。
強敵と激しく戦い、血を流し、体中が傷だらけだ。
周囲の建物も、跡形も無く破壊する、凄まじいバトルだ。
それなのに、主人公のイケメンの顔は無傷なのである。
汚れたりはしている。しかし、鼻血を流したり、顔が腫れたりといった、美形が崩れてしまうようなダメージは、一切負わないのである。
それがなんかムカつくんだよこんちくしょおおおおおおっ!!
美形への、嫉妬?
ああ、それもあるさ!
でもよ、やっぱり顔だけ無事なんて描写はよくないと思うんだ。顔は大事だ。それが、傷付き、破壊され、歪む絵は、気持ち悪くて、女の子にはキツいかもしれない。
でも、だからこそ、痛みが伝わるんだ。
戦うことは、痛いことだという、大切なことが伝わるんだ。
激しく戦うと、顔という大事なもの、いや、もっと大事なものも傷つき、破壊してしまうかもしれない。
そういうことを、少年マンガはちゃんと描いていてほしいんだ。
現実の世界では、女性への差別は、少しずつだろうけど、無くなってきている。でも、男は強くあるべし、というのを始めとする、男性への差別は無くなっていない。
男はバカという差別が、世間にはびこってゆく。
知ってるか?
自殺の割合って男のほうが多いんだぜ。
なんだかんだで、今のところ、「戦い」はやっぱり男の役割だ。戦争だけじゃない。日常でもそうだ。
男はつらいよ。
だから、せめて少年マンガの世界くらいは、男の子達を癒やしてくれよ。
戦いの辛さをちゃんと伝えてくれよ。
そう、願います。