決着
18になってあまり変わらない桜坂杏里です。
「あら!良く来たわね。私のボディーガードを倒して。まぁ、良いわ。私が相手してやる。」立花愛也こと立花綾は言った。彼女はいつも女の子の格好が嫌いで、男装していたはず。
それなのに、スカートを履いていた。可笑しい何かあるはずだと思った。
「お前のボディーガードなんてそうでもなかったぜ。」咲耶はそう言った。
「あんた、男の癖になかなか可愛いわね。まぁ、椿には負けるけど。」
「綾、どういうつもりなの?女の子の格好をあんなにも嫌っていたのに。」美姫は尋ねた。
「分かってないなぁ。男はな。男装している女に萌えるんだよ。だから、私はそう偽ってきたのよ。」
「許せない。私達は心は男性だと思っていたのに。女性だと自覚していたなんて。」
「ムカつくか?なら私とやり合うか。椿。お前はそのメイド服を着た男を相手にしろ。」
「分かりました。さぁ、俺の名刀、佐賀恒康の試し斬りになってもらおうか。」
「そうはさせない。」咲耶はメイド服についていた鞘からレイピアを取り出した。
「行くぞオラ!」先手は佐賀恒康を握った椿が攻撃してくる。
「ふん。雷切発動。」レイピアは電気を帯びる。
「卑怯者め。刀に付加価値を付けるとは。おりゃっ。」
「勝てばいいんだよ、勝てばよ!ふん。」
「畜生。負けるわけにはいかねぇんだよ。」
闇雲に刀を振り回す。咲耶を何度も掠めた。
「えい!おら!負けねぇぞ。こいや。」
「ふっ!あぶねぇ。なんて速さだ。手出しが出来ねぇ。うおっ!」
「死んでもらう!うっ…うわぁ。薬が切れる。畜生。俺はなんてことを。もう懲り懲りだ。」椿はあと一歩で人を殺めるところであった。しかし、薬が切れ罪悪感を感じるようになった。
「はっ!何よ。ウチの椿が。やろう!」
「止めだ。喰らえーっ!」飛び上がった美姫の拳が綾の顔をクリーンヒットする。
「畜生。東京に行けば!東京に行けば!私達はお前達を倒せる。しかと覚えておけ。」
立花はそう捨て台詞を吐くと、薬の切れた椿を背負って逃げていった。