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俺は魔王と手を組んだ。俺は魔王に要求した。
「魔族の女を、できれば人間にとって美少女に見える魔族の女を俺にくれないか」
と俺は魔王にいったが、魔王は、
「好きにしろ」
と答えただけだった。
それで、俺は魔族の女を追いかけた。魔族の女はみんな逃げた。
「魔王さまの命令に逆らうのか」
と俺は怒ったが、いうことを聞く魔族は一人もいなかった。
魔王が俺を呼んでいった。
「勇者よ、喜べ。おまえがこの魔王と手を組んだことが知れ渡り、人間たちの戦士が皆、勇者を殺すとわめいているようだぞ。がっはっはっは。愉快だなあ、勇者よ」
俺は、
「そうです。大成功ですよ。うまく地上を統治しましょう」
と、魔王と話し、あとはひたすら、魔族の女を追いかけた。
魔族の女がつかまらないものだから、弱い怪物を探していじめて暇をつぶすことにした。自分より弱い怪物をいじめて遊んでいると、そのまま、数か月がたってしまった。本当に、何もないままあっという間に月日はすぎた。
魔王は俺を呼び寄せていった。
「勇者よ、喜べ。人間たちの町をすべて滅ぼしたぞ」
俺はさすがにびっくりした。