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結局、国中の女の誰にも相手にされなかった。お姫さまは完全に怒っており、どうやら、俺を嫌っているようだ。
城の兵士が話かけてきた。
「勇者どの、いかがなされた」
「それが、俺、この国の誰にも相手にしてもらえない不幸な男なんです」
俺はちょっと泣いた。俺は勇者だぞ。
「勇者どの。気を急いてはいけないですぞ。じっくりことを運ぶことです」
そうか。そうだよな。
そこで、俺は作戦を練った。仲間が必要だ。
なるべく、俺より弱くて性格の悪そうなやつに声をかけていく。
「どうだ。俺は勇者だ。俺と一緒にこの国の女とやりまくらないか」
十人くらいに声をかけてみたところ、驚くことに八名の男に賛同をいただきまして、ご協力していただけることになりました。
「勇者を利用して女を抱くんだ。うまくやれ」
とこそこそ男たちが話している。
くそ、信用できる親友が一人欲しい。誰か選ばなくては。
しかし、勇者が国の女を手籠めにするために男の仲間を探して声をかけているといううわさは飛ぶように広まり、俺は城を追い出されました。
こんな作戦うまくいくわけがないんです。
「バカ野郎、生かしておいたら、王子のためにならん」
などと俺を追い出した男たちが口にしていたが、俺は城から叩き出されて、怖くなって走って逃げました。