表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドールめいかー  作者: 針山田
3/6

ドールめいかー


ピンクムーンvsショッカー

まだまだ終わってませんでした。


さて、あなたはどちらを応援してくださいますか?


兎がだらーんて

汗かいて床に寝そべってる


お腹を下にしていて可愛いのだが、お腹が冷えないかが心配だ。

とりあえず、扇風機の風力を弱めて・・・うちわあったかな。



クーラーが故障してから三日経った。

そして親父が倒れてからの三日。


邪魔だし、暑苦しいし

季節もそうだけど、親父自身、本当にうざい。




遡れば五日前になるが・・・





クーラーの効きが悪くなり、詳しい人に見てもらおうと義母さんは言ったのだが父が・・・


50代後半になっても能天気さが抜けない父が、ゲーム感覚で「俺にまかせて☆」などとほざいたのだ。


そして事は起こった


蓋が、開かない、あ、か、な、い


気合いを入れ直し、ガッと蓋を掴み、背負い投げの要領で・・・開いたー。



まぁそのあとが問題なので、黄色い歓声はしまっておいてください


代わりに親父の悲鳴をどうぞ。


父「ぎゃああぁあ」



バランス崩して腰打ちつけて、三日三晩リビングに布団を広げている。



なのに何故、兎と川の字になって寝ていられるのか。あと一本足りないが、そんなことはどうでもいい

・・・何で俺の隣じゃないんだ?可愛い妹の為なら丸一日、膝枕してたっていいんだよ?なんなら抱きしめて一緒に寝ようか。



ぁー、泣きたい


だが口を開けて爆睡している親父にばかりいい思いはさせられないので、取ってきたうちわで兎を扇ぐ。



ぁー、寝顔かわい・・・



クーラーはというと、親父が落ちた拍子にくっついてきたフィルターが家具の角っこに辺り、見るも無惨なものに。


あーぁ。


故障の原因は業者の人に見てもらうことになったが、未だ復旧の目途はたっていない。




・・・本当、暑い。

普段以上に喋っただけで汗が落ちてくる。


・・・シャワー浴びるかぁ。


そう思い、ふと兎に目線がいく。


兎も暑いよな・・・

一緒にお風呂・・・なーんて。

でも兎、まだ自分で髪の毛洗えなかったよね?俺なら、できるよ?喜んで。

つーかその前に、着替えとか、着替えとか、着替えとか・・・やばい、鼻血出そ・・・



うん。


兎の耳元に顔を近づけ

晴「お風呂入りたい子、この指とーまれ。」

兎「お風呂・・・?」


小さい指が絡まってくる


やっった。


晴「じゃあさ、お兄さんと、一緒に入ろう。」

兎「・・・おにーさまと?」


嫌がられてるのは、気のせい?


晴「うん。汗かいたままじゃ気持ち悪いでしょ?今のうちに流してこよう。」

兎「・・・」

晴「そのままじゃ風邪ひいちゃうから、ね。」

兎「じゃあ、ひとりでいいです」

晴「一人でこわくない?使い方わかる?」

兎「たぶん・・・。」


だったらお兄さんと入ろうよーーー。



晴「俺だったら一人は嫌だなー」

兎「おにーさまが、ですか?」

晴「うん、こわい。だから、兎が一緒に入ってくれたらなー。」

そう言って見つめると、


兎「ピンクムーンといっしょなら、こわくないですよ」


・・・ぇ


兎「ねー。」


ぇえぇぇ!?

ピンクムーンって、親父のことだよね。

親父と一緒に入れってこと?

それに「ねー」って何?なんか仲良くない?

・・・兎が話しかけてるんだがら、寝てないで反応しろよ、親父。



父「・・・んー?晴くん、パパとお風呂ー?」


そこは反応すんなぁぁ!!



晴「ね、ピンクムーンは体を痛めていて、闘えないんだ。休ませてあげよう?」


そしてお兄さんとお風呂に・・・!


兎「・・・うさぎは、ピンクムーンがいいです」


・・・!?


晴「ショッカーもいいよ?」

兎「ピンクムーン」

晴「ショッカーが可哀相だよ」

兎「ピンクムーン!」

晴「ショッカー。」

兎「ピンクムーン!!」

晴「ショッカー!」



ピンクムーン助けて・・・



父「お風呂ならさっき入っただろー・・・喧嘩しないで遊んでこー・・・」



そう言ってうつ伏せに転がり、今度はいびきをかきはじめた。

やっぱりヒーローはこいつなのか。

そして今気になる一言を聞いたのだが?



晴「入ったって・・・?」

兎の方に恐る恐る視線を向けてみると、頬を赤らめて目線を合わせようとしない。



あぁ、事後か・・・おい、こら?




俺だってまだ何もしてないし、流石に妹に・・・なんてさ。

それをこの爺は、俺の妹に・・・!!



晴「兎に、何をした!?」

父「うぎゃー!!」


兎「きゃー!」


うつ伏せに寝ているTシャツの後ろ首周りを掴み、親父の上半身を浮かせた問いただす。


兎「おにーさま、だめっ、です!!」


兎は必死になって俺の服を掴み、親父を助けようとしている。

しかしこれは兎の為でもあるんだ、許すものか。


晴「何をした・・・!?」


父「風呂入った、入りましたー!!」

晴「それで?何をしたぁあ。」


父「何を?入って・・・」

晴「て・・・?」

父「あぁ、シャンプーの練習ね。あと、腰痛に効くおまじないもをしてくれちゃって~」


おまじない、だと?

変なことさせてねぇだろうな。


父「顔、顔こわいゾッ!」

晴「・・・」

父「背中っ、背中流してくれたんだよ」

晴「あぁ?」


親父は上半身が浮いたまま

「ムーンパワー、注入!!」と同時に腕を上下に動かした。


そーゆーこと・・・


「おにーさまのバカー!」

という兎の声も聞こえてきた



いや、ばかなのはどっちだ。


手を放すと親父は先程の姿勢のまま床と衝突、いやご対面した。


兎「きゃーっ!!」

悲鳴のする方に向き直り、


晴「兎、兎?いい?お父さんはね、腰が痛いの。動かしたら可哀相だよね?今日の夜からはお兄さんとお風呂に入ろう。ね。」


兎「でも、今、とーさまつぶれました・・・」

晴「そんなことないよ」



父「はいはーい。とーさま復活ー!晴くんのおかげだー」


かなりの棒読みだが、それはフォローのつもりか?

でも確かに兎は信じてくれている。敵に借りを作るなんて・・・と、その敵に肩を掴まれた。痛みで寄りかかられているのか?それくらいは支えないこともない


父「だから、みみちゃん。また一緒にお風呂、入るぞー!」


はぁあ!?何をほざいた?


兎「おー!!」


何で?どうして?

まだ肩を掴まれたままだった、親父の声が耳にかかる



父「犯罪を未然に防ぐのは、親の役目って訳よ。」


・・・ゾクッとした。


ピンクムーンはやはり邪魔者だ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ