過去アルバム~8話目~
「俺・・・なんかできないかなぁ」
優輝は椅子にもたれながら呟いた。
遠い地に彼女を残していくのだ。死んでも死に切れない。瀬奈はきっと死んで欲しくないと
言うのであろうが。
瀬奈の愛くるしい笑顔を思い出すと、やはり胸が痛んだ。
二度と会えないかもしれない。あの笑顔を見られない。傍にいてあげられないのだ。
「だから・・・。俺は何かプレゼントしよう」
優輝はパソコンを引っ張り出した。
「『女子が喜ぶもの』っと・・・」
検索するとかなり希望に当てはまるものが出てきた。
「アクセサリー・・・かぁ」
実のところ今優輝はあまりお金を持っていない。
自分が買ったものを瀬奈に着けていてほしい。自分のものだと見るたび思って欲しい。
・・・でもお金が足りなかった。
「・・・ん?」
優輝は何かを見つけた。
「・・・いいかも。近くにあるし。大きいところ」
優輝は夢中で調べだした・・・・・。
☆―☆―☆
「ん~・・・、ってことはこれは優輝が行く直前に買ったほうがいいのよね?」
瀬奈はパソコンの画面を見ながら考え込んだ。
渡す花は決まった。後はそれを買いに行くだけだ。
「あなたを・・・、優輝を忘れないからね」
瀬奈は何かを決心したときのように言った。
☆―☆―☆
「よしっと・・・」
優輝は靴を履いていた。瀬奈とバスケするためだ。
こうする機会も後残り少ない。優輝は溜め息をついた。
「瀬奈!!」
「あ、優輝!」
「・・・こうする事もあと少しでできなくなるんだね」
瀬奈が言った。夏風が二人の周りを揺らしていく。
「そうだな」
優輝も名残惜しく言った。離れたくなかった。
「私、優輝がいなくなってもここでバスケ続けるね」
「そうなの?」
「うん。今まで練習してきた場所だったからね。優輝が行っても挫けたりはしないんだから」
瀬奈がフフッと笑う。
「そうか。じゃあやろう!」
「あ、私のボール奪ったねぇ?!ちょっと、待ちなさいよ!!」
「♪」
こうする期間もあと少しなのだ。二人に残された時間は・・・あと五日間。
今回はかなりの短めです。久々に現れたというのに、なんなんだこの短さはと
思う方もいらっしゃるでしょうが・・・。スイマセン、許してください。
これからは時間が取れないかもなぁ。