表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/13

過去アルバム~7話目~

「お母さん~」


「えっ、ちょっ、どうしたの瀬奈」


「優輝が転校しちゃうよ~」


「・・・ええ。朱音さんから聞いてはいたけれど、こんなに早かったとはねぇ」


「・・・・・。だって夏に会って、夏にサヨナラだよ?!そんなこと、

あるわけない!」


「でも、そうなのよ」


「イヤだよぅ・・・」




自分の部屋に入って鍵をかけた。

その瞬間涙が溢れてくる。


「なんで・・・っ、なんで・・・っ?」


どうして優輝は行ってしまうのか。愛しい人は行ってしまうのか。


「どうして私と優輝を引き離すの?」


「なんで?どうしてっ!!」


自分の身を投げ出すかのようにベッドに倒れた。


そして泣き崩れる。


「分からない・・・・・」





                ☆―☆―☆



優輝もまた、自分の部屋で悲しみに浸っていた。


自分が瀬奈に転校を告げたあの時の瀬奈の顔が、忘れられない。

あんなに寂しげな顔を見た事は初めてで、自分を責めたくなる気持ちで

一杯になった。自分の身を粉々に砕いてしまいたいほど。


「なんで、別れなきゃいけないんだよ・・・」


優輝は悔し紛れに呟いた。



「せっかく、両思いになれたのに・・・・・」



「全部俺のせいなんだ・・・・・」






                 ☆―☆―☆



「転校する優輝に何かできないかなぁ」


瀬奈は考えていた。

限りなく向こうに行く優輝に何かしてあげられないかと。


「どっかに行くとか?」


つまりデートだ。基本的なものは遊園地とか、水族館。

恋愛にこれまで疎かった瀬奈はこれぐらいしか知らない。



「後は・・・。物をあげるとか」


だとしたら何がいいのだろう?優輝もやはり男子なのだからゲームのカセットとか?

いや、駄目だ。今の瀬奈の小遣いでそこまでお金は出せない。


「ん~。分かんない!!」


そう言って瀬奈は最終手段のパソコンに向かい合った。


「YAHOO」を出して「男子が喜ぶもの」と検索してみる。


新たな画面が現れた。しかしどれも高価なものばかりだ。

画面を下までスクロールしてみると・・・・・。


「ん?」


瀬奈はあるものを発見した。そこには、「男性への贈り物に花束はどうですか?」

というものだ。ベタだな、と思いつつ気になったので瀬奈はそこの文をクリックする。


パッと画面が変わる。


『男性へのプレゼントに花束はいかがですか?最近ではベタそうに見えますが、

花言葉を考えていれば大丈夫!貴方が彼へ伝えたいことを花言葉に託して、

思い切って贈ってみましょう!きっと彼は喜んでくれるはずです!』


とメインに一番大きく書かれていた。


「ふうん・・・。花言葉、かぁ」


そもそも花言葉の意味が分からない。

瀬奈はヤフーのページに戻り、『花言葉』と検索した。

そこで「花言葉とは」というものがあったので、そこをクリックする。



『そもそも花言葉とは「ある植物の花や実などに象徴的な意味を持たせたもの」

という簡単なもので、花言葉自体はかなり古くから世界の多くの民族で伝わっていたそうです』



・・・・・と書かれていた。


「なるほどねぇ」


瀬奈は嘆息した。


では自分は何を優輝に伝えたいのか?

『ずっとあなたが好きです』とか?ううん、それはベタすぎる。

『あなたと心は共にある』・・・ダメダメ。

『永遠の愛』・・・これは聞いた事がある。確かチューリップだ。



「あぁ~、思いつかない!というか私が優輝に何を伝えたいかによるんだよね・・・」


瀬奈はため息交じりにそう言って考えた。




「・・・・・あ!!これだ!これにしよう!!」


瀬奈はこれといったものを見つけ出し、その言葉に当てはまる花を探し出した・・・。





                  









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ