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漫才の台本

漫才「ヒーローの着替え その2」

作者: 沢山書世

笑ってもらえるとうれしいです。文化祭、学園祭、会社の余興などで使ってもらえたら、なおうれしいです。

登場人物 二人

     先輩ヒーロー(50歳、男)ベテラン、体力下降気味で弱気

     後輩ヒーロー(25歳、男)若者、元気、はっきりものを言う


〇公園、茂みの中(午後)

   ヒーロー二人がやってくる。

後輩「パワースーツ二着、持ってきましたよ。ほんと重かったんですから」

先輩「いろんな機能が詰まっているからな、そりゃ重いさ」

後輩「その重いスーツを二人分、なんで私が持ってくることになったのか、解っていますよね?」

先輩「今日は怪獣が二体相手だからな」

後輩「そうじゃないですよね」

先輩「まあ、一着は俺が着る分だよね、感謝してます」

後輩「大事なパワースーツを二枚ともクリーニングに出しちゃうなんて、勘弁してくださいよもう」

先輩「怪獣が三日続けて現れたりするからいけないんだよ」

後輩「確かに珍しいことではありますけどね」

先輩「泥んこのスーツをそのまま次の戦いで着るのには、ちょっと抵抗があってなあ。きれいなスーツで戦いに臨みたいじゃないか。そう、悪いのは怪獣の方なんだよね」

後輩「先輩の場合はどうせ汚れるんだから、泥んこのままでもよかったじゃないですか」

先輩「戦う前から汚れてるヒーローなんて、見たことないぞ」

後輩「そりゃそうですよ。他のヒーロー達はみんな、泥んこになったりしません」

先輩「対決スタイルが違うからなんだろうけど」

後輩「スタイルはどうでもよろしい。結果は、また、負けたんでしょ。二連敗ですね」

先輩「強かったんだよ。しょうがない。頑張ったんだけどなあ。相手だって黙ってやられてばかりいないだろ。こっちの攻撃がひと段落したら反撃してくるしさ。頭に来た怪獣は強さ倍増だし、こっちの弱点に決め技を入れてきやがるしさあ」

後輩「先輩は弱点ありすぎなんですよ」

先輩「だいたい、対戦相手は初対面ばかりだろ。どんな攻撃を仕掛けてくるのか解らないから、不意打ちを食らってしまうこともあるしなあ」

後輩「それは通用しませんよ。そもそも、地球の平和を守るヒーローが、勝率六割台っていうのがおかしいんですよ。ほかのヒーロー達は、みんな勝率十割ですよ」

先輩「勝率が五割を切ったら、進退を考えようかなあ・・・」

後輩「まずは十割を目指してください」

先輩「弱い相手を、こっちに回してくれないかなあ・・・」


読んでいただき、ありがとうございました。

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