1話 最初に言っておく。
百合好き女子です。
……とりあえず前2つのやつは近々終わらせます。
学園モノです。完全に私の妄想です。
こんなことしてみたいなー(笑)
最初に言っておく。
私はかなりの百合好きな女子である。
アニメの百合カプの創作もしている。小説と漫画両方だ。
定期的にクラス内の百合カプを (勝手に)妄想するレベルだ。
そんな感じで、私、『三神 百合子』は一人で学生生活を楽しんでいた。
だったのに・・・・・・。
「はい。今日は転校生を紹介するぞ」
女性担任が、教卓に片手をついてだるそうに話をする。
高校での転校生は珍しい。クラスメイトはわくわくしながら先生を見つめる。
ある女子は、「イケメンな男子がいいな~」と。
また、ある男子は、「可愛い女子来ないかな~。出来ればおっぱい大きめで!」などと言っている。
・・・・・・男子は胸にしか興味がないのだろうか?
そんなことも気にせず、私は教室の後ろの隅で一人、眼鏡を掛けて百合漫画を読んでいた。
「では入ってきてください」
ガラガラ
転校生が教室に入ってきた瞬間。教室がざわめく。
何だと思い、私は転校生のほうを見た瞬間。教室がざわめいた理由が分かった。
教室に入ってきたのは、女子だった。
・・・・・・ただし、全身傷だらけの。
「え・・・・・・さ、『西園寺』さん・・・・・・? 全身傷だらけ・・・・・・・」
「あぁ、大丈夫っスよ。ちょっと登校中にガン飛ばしてくる男子共が居たんでぶっ飛ばしただけッス」
「だけ」では済まないだろうよ。
「・・・・・・では、自己紹介を・・・・・・」
「あ、はい。・・・・・・『西園寺 美紅』だ。よろしくな」
あれ? 意外にいい人かもしれない。
しかしそんな甘い考えは、すぐに消え去ることとなる。
「おっ? 中々強そうな女じゃねぇか!」
教室の中央の席に座っている、一人の男子が席を立った。
彼は学校内でも、一番の問題児として名高い。
すぐに癇癪を起こし、暴力行為に走るという、先生も頭を悩ませている生徒だ。
「・・・・・・何か用か?」
男子は、西園寺さんの言葉に返事をせず、黙って教卓の前に向かう。
「テメェのその面に用があるんでな!」
男子は、西園寺さんに向かって拳を振るう。
「西園寺さん!」
先生が止めに入ろうとするが、間に合わない。そのまま拳が顔面に炸裂する
・・・・・・と、思っていた。
「・・・・・・・は?」
西園寺さんは涼しい顔で、拳を受け止めていた。
「駄目だな」
「え?」
西園寺さんは男子の拳を振り払うと、男子の顎めがけてアッパーをする。
その勢いのまま、回し蹴りをし、男子の体が黒板に激突する。
「え・・・・・? は・・・・・・・えぇ!?」
先生のいつものだるそうな雰囲気はどこへやら。急いで男子へ駆け寄る。
「先生、私の席は?」
「せ、席ですか? えっと・・・・・・・い、一番後ろの席です・・・・・・。百合子さんの隣です」
「サンキュー」
西園寺さんは置いていたバックを持ち、私の所へ歩んでくる。
「・・・・・・よろしく」
よろ死く? (幻聴)
西園寺さんはバックを床に置き、そのまま机に突っ伏して寝てしまった。
「・・・・・・みんな仲良くするように」
どうやって仲良くしろと? この一連の動作を見て。
と、皆は思っているだろう。
私は最初に言った。
『かなりの百合好き』だと。
この瞬間、彼女の美しさに、私は恋をしてしまった。
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