Episode.54
「あれ?言ってなかったっけ」
「聞いてない聞いてない!」
「こんな驚きの新事実、
サークルのみんなが知ったら
チョー驚くよ!」
「なんだか皆さんは、
昔の僕をご存知のようだね^^」
「え、ええ」
「文人君がよく、お父さまの歌を歌っているので」
「なるほど」
「文人、宣伝してくれてるんだね^^」
「(ΦωΦ)フフフ…」
「お父さん、今日は向こうで食べるの?」
「そうだね、少しお酒も飲むし^^」
「じゃあテキトーに見繕って、持って行きますね」
「ああ、お願いします^^」
「じゃあ皆さん、ごゆっくり」
「あ、ありがとうございます」
パタン
「これでもう今日はサプライズはないわね 笑」
「ささ、みんなも食べて食べて!」
「いただきまーす!」
「漢字Tの羞恥心が一気に吹き飛んだわ…」
「でも結構可愛いよ、ゆずきちゃん」
「えっ!?(〃ω〃)」
「あ」
「あ、あの、えっと、そそそれは
「Tシャツが似合ってるよ」って言う
意味でございましてですね。。」
「じゃあお兄ちゃん、ゆずきさんの事
可愛いとは思ってないんだぁ」
「ゔっ(; ・`д・´)」
「そそそれは、勿論思っておりますし、
チャーミングな表情が
たまらん時もあってですねぇ」
ボッ!! 赤面 照
「ゆずきお姉ちゃん、お顔真っ赤ぁ~」
「あ~」
「そのスキルは文人が受け継いでたかぁ」
「『スキル』?」
「お父さんもね、
なんの前触れもなしに豪速球を投げてくるの」
「お母さん、それで
メロメロになっちゃったんだって」
「だってあの顔で前触れなしに
甘い台詞が飛んで来るのよ?」
「メロメロにならない方が難しいって 笑」
「でもなんだかお父さまに悪いような…」
「ん?なにが?」
「別の部屋でお食事されてるんですよね?」
「ああ 笑」
「花純さま、それは気にせずとも
大丈夫でございまする」
「え?」
「お父さんの頭の中では、
『お客さん=客席』ってイメージが強いから」
「お客さん来るといーっつもそうだから 笑」
「まぁ、『楽屋』で過ごしてるようなものね」
「今はもう歌っては…」
「今は作る側に回ってるんだけどね、
「ファンだった方が残念がるのも申し訳ない」って…
今でも筋トレとかしてるわよ 笑」
「そうなんですね^^」
「あ!結愛、電話しなきゃ!」
「あ、小学生がいたんだった」
「お父さんお母さん、心配してるかもね」
「それはだいじょぶ~」
「え?」
「結愛、お友達のお家、おとまりよくしてるの」
「そうなんだぁ」
「結愛ちゃんはケータイ持ってるの?」
「持ってなーい」
「じゃあ、『かおりのお友達』って事で、
私から電話するわ」
「結愛ちゃんのおウチの番号は?」
「はい、これー」
「あ、カードを持ってるんだ」
「あれ?」
「『木下』…」
「お母さん、どうしたの?」
「ん?」
「『いえ電』使わずにスマホからかける」
「?」
「・・・もしもし」
「木下さんのお宅でしょうか」
「結愛ちゃんの、
お母様ですね」
「お宅の娘さん、
結愛ちゃんを
こちらで預かってます」
「え!?(; ・`д・´)」
「返して欲しければ今日中に
…120円用意してください」
「やすっ!」
とん とん
「結愛ちゃん結愛ちゃん!」
とん とん…
「ん?」
ひそひそ…
「うん、わかったぁ」
「わかりました、娘さんの声だけお聞かせします」
「ママーーー!!(;ω;)」
「え!?」
「それで受け渡し場所ですが…」
「近くのコンビニの、
チャリティーボックスに入れてください」
「まさかの寄付!?(;・∀・)」
「確認後、こちらからご配送致します」
「時間のご指定はございますでしょうか」
「そして何故か宅配!」
「2時~4時ですね」
「サイドメニューにナゲットはいかがでしょうか」
「いつの間にかピザのデリバリー…」
「ぷっ 失笑」
「もー響子ぉ、
最初の第一声で私だって分かってたでしょ~」
「ん?」
「もう、チャリティーボックスですら
ギリだったんだからぁ 笑」
「あ、それでね?結愛ちゃん、
ウチの息子と知り合いみたいで、
ウチに来て私も一緒になって話し込んじゃってさぁ」
「うん」
「だから今日は結愛ちゃん、ウチにお泊まりするから」
「うん」
「大丈夫 笑、ウチの息子、『歳上スキー』だから」
「それに何故か結愛ちゃんに敬語使ってるし」
「あと安心にして任せられる女の人が、
2人もいるから」
「うん、はいはーい」
「じゃあまた時間のある時にでも」
「はいはーい」
「じゃあね~」
「お母さん、
結愛ちゃんのママと
知り合いなの?」
「うん」
「前に勤めてた、会社の同僚 笑」
「すごい偶然、ですね」
「私も番号見てびっくりしたわよぉ」
「でもなんでわざわざスマホ?」
「ん?」
「『いえ電』に番号、登録してあるから」
「結構親密!?(;・∀・)」
「結愛ちゃんが赤ちゃんの頃、
私抱っこした事あるもの」
「ホント!!」
「名前聞いて、
直ぐには結びつかなかったんだ 笑」
「『木下結愛』って言われてみれば?
…って感じで」
「まさか、響子の娘ちゃんが来るとは
思いもしなかったから
…って」
「あれ?文人は?」
「なんかさっき2階行った」
とん とん
「あ、降りてきた」
とん…
「…フント君、
その怪しい格好はなに?」
「か、格好から入るのも大事か、なと…」
「もうとっくに電話終わったわよ?」
「そ、そんな気も薄々はしており…」
「ってかフツーに他のTシャツあるじゃない!!」
「あ」
「お兄ちゃんっていっつもツメが甘いんだよね」
「ゔっ(; ・`д・´)」
「これはどっちにも似てないのよねぇ」
「フントお兄ちゃん、ダサい」
「ぐっ:(;゛゜’ω゜’):」
とん…
とん…
「逃げた」
とん…
「そしたら文人そのまま着替え持って
シャワー浴びちゃってくれるぅ?」
「結愛ちゃんのひと言が効いたみたいね」
「ぎょ、御意!でする!」
「それにしても…」
「結愛ちゃん、おっきくなったわねぇ~」
「そして今更 笑」