1. プロローグ
プロローグと言うなの説明回です、ノリノリで書いただけの糞長設定なのでこの回は読み飛ばし推奨
圧縮して説明すると
空を飛べる完全ステルスロボットに乗った主人公が目視された瞬間地平線の彼方まで追ってくるミサイルに怯えながら進軍中
以上です。少しでも興味持った人は第二話に進んでください、この下にあるのは蛇足です
フーゴはコックピットに座り警戒している、モニター上は特に変わった物は無く空からは薄いガス雲に阻まれつつもオレンジの太陽が辺りを薄暗く照らしている、アラートは鳴っていないが敵は何時来るかわからない、ちょっとした油断で死ぬ事なんて戦場じゃよくあることだ、すり減る神経を酷使して周囲を映し出すモニターを凝視し続ける、レーダーは見ない、もうしわけ程度に設置されているこのレーダーは性能が低い、その上とある技術革新の所為でレーダー自体が基本的に使い物にならない、プラズマフィールド発生装置、字面だけだとバリアを張る装置に聞こえるが実際は特定の周波数の電磁波を吸収するフィールドを張る装置、早い話が電波ステルス装置だ、コレを起動させればごく狭い範囲限定だがその周囲はレーダーに映らないし範囲内のレーダーも無効化される、だからレーダーなんてものはもはやただの飾に近い
とはいえ電波ステルス装置を使えば安全という事は無い、ミサイルは今も変わらず戦場を支配する兵器だ、フーゴ達が移動しているこの場所にだって敵の仕掛けたカメラや赤外線カメラがあるかもしれない、これらに映ってしまえばすぐさま場所を特定されて、敵基地からミサイルが即時発射される、そしてミサイルに搭載されたカメラに補足されれば逃げ切るのは不可能だ、水平線の向こう側に隠れようとも追ってきてカメラで再補足してくるその兵器の回避方法は遮蔽物に身を隠すか、赤外線や紫外線すら通さないチャフスモークを展開することのみ
しかしチャフスモークに身を隠してもミサイルはスモーク目指して突っ込んでくるから後は死なないように祈るしかない、海も空もドローンが監視網を作ってる以上飛行機という物はあまり有効ではなく、フーゴ達がやってるみたいに地面をこそこそと進むしかない、それでもいずれは発見されてミサイルが撃ち込まれる、ミサイルを迎撃するという手段も無くは無いが、何十、何百と飛んでくるミサイルを全て迎撃するなんて戦術は一部の国以外は取れない、フーゴの国にはそんな金は無く、フーゴの乗る機体にはチャフスモークの他には機体に搭載しているライフルしかなく迎撃専用のミサイルなんて搭載されていない
フーゴが乗るロイクと呼ばれる機械は地面を二本足で歩いている、戦車では駄目だ、ミサイルから身を隠して生き残るには最低限の機動力が必須で戦車ではその速度が出せない、ロイクの場合は二つ目の技術革新がソレを可能にした、ロイクには大型のジェットエンジンが搭載されている、そのエンジンの出力は大きく、その上酸化剤を大量に使う事で、ジェットの起動が早く、しかも起動直後からかなりの出力を得られる、いわばロケットとジェットエンジンのいいとこどりをしたようなものだ、使用する酸化剤は純酸素、電気を使って大気中の酸素だけ単離できる機械もある為時間さえあれば消費した酸化剤をロイク単独で補充でき、酸化剤を使った時の出力は軽めの戦車であれば空を亜音速で飛ばす事が出来る程だ
最初は戦車にこのジェットエンジンを載せれば良いんじゃないかと昔の人は考えたわけだが、通常の戦車では重すぎる上に着地時にキャタピラが破損しやすい、その上至近距離でミサイルが爆発した場合戦車の装甲は無事でもジェットエンジンはすぐに破損してデッドウェイトになる、中途半端に躱す事しかできない挙句邪魔な物をくっつけた戦車を作るよりも、ただの戦車の方が迎撃用の機銃やミサイルを多く積める分強かった。結局すぐに欠陥兵器の烙印を押されたわけだが、何をとち狂ったのか、その欠陥兵器に光明を見出した馬鹿がいた、最初は狂人扱いされ誰からも見向き去れなかった、ソイツがただの馬鹿で終わっていれば、話は妄想だったで済んだのだが、無駄に多い個人資産とコネクション、そして行動力の所為で実際に作り始めてしまったのだ
最初に戦車からキャタピラを無くしてハードな着地のための足を4本付けた、装甲も薄くしてジェットエンジンは大型化した、そしてできたのはジェットエンジンで飛び回る多脚戦車、それは地上を4本足で這うように移動し必要時は亜音速で飛び回る兵器となった
こんなもの、ただ一人の馬鹿を除けば誰もが使えない兵器だと思ったし、シミュレーター上で試してみても、平原では戦車に完敗し空では戦闘機に負けた、ミサイルという武器を運ぶのが今の兵器の絶対条件、後はどれだけミサイルを乗せられるか、敵のミサイルからどれだけ早く隠れたり迎撃したり出来るかが重要なので多脚戦車は地上を進む上では遅い上に積載重量も少ない、空を飛んでも飛行機より遅く羽が無いのでやはり積載重量は少ない、いい所なしのこの兵器には特定の条件でのみ戦車や飛行機を圧倒できる性能があった、市街地やビルのような大型の遮蔽物がある空間、この条件でなら多脚戦車は先の二つに完勝できた
対戦闘機戦においては敵のミサイルは遮蔽物に身を隠して防げばいい、ミサイルはビル群を避けて敵を探す機能すら保有しているが、レーダーが効かない以上カメラで視認できない敵に誘導する事は出来ない、結果ビル群を飛び回りミサイルのカメラに捕捉されない多脚戦車は敵のミサイルから逃げきることも出来た、戦闘機と違い迎撃能力もある程度ある上に最悪の場合でもチャフスモークを展開してその中に隠れる事が出来る為、運が良ければ致命傷を避けられる可能性がある、空を飛んで進み続けるしかない飛行機というのはミサイルが進化した現状では基本的にミサイルを運んで戦場に放り出した後は自分も撃墜されるような兵器になりつつある
では戦車は?同じようにチャフスモークを展開し防御力もある戦車に対して多脚戦車は機動力を生かしてきた、対空迎撃能力すら保有する戦車だが、それでもビル群を飛び回って隠れながら近づいてくる多脚戦車を捉える事は難しく、多脚戦車は装甲の薄い頭上を取り戦車と比べれば豆鉄砲と言っていい小口径の火器によって戦車を破壊していく。最大時速が100キロ程度の戦車では機動力の差で勝てないのだ
多脚戦車がある程度の戦果をだし戦車や飛行機に並ぶ兵器として認識され始めたころ、どのみち一撃食らえば終わりなんだからと足の数を減らして2本に、ミサイル迎撃能力もある小口径の火器は手を模したマニピュレーターにつないで可動域を増した、最後にその人間に似た形状の兵器に人間の神経を直結させ体を動かすようにそのロボットを動かせるようにした、そうしてできたロイクと呼ばれる兵器は多脚戦車を上回る機動能力と攻撃能力を得た。そして現代、戦場の主役とはいかないまでも多くの国がこぞってロイクを開発し量産している、そんな状況だ
ということで前書きに書いたように三行で説明できる糞長設定でした
もし全部読んだ人が居たら相当な精神的耐久を持ってますね、まぁ流石にいないとは思いますが
以上、誰も読まない後書きでした