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彼がいうには

ア、アキ


「秋葉原⁉︎」


「おう、通りすがりに聞こえただけだがここら辺はそういう地名だったらしい


 あんた、この国の人間だろ?

 ここが秋葉原のどこら辺に位置するかわかるんじゃないか?」


「いや、同じ国っていってもそう何回も来たことなくて、

秋葉原は知ってますけど、こんな景色でも草ボーボーでもないし、それに」


 私、さっきまで電車乗ってて、とっくに東京を出たはずなのに


「ん〜、やっぱりそうか」


「へ?」


「いや、悪い

 もしかしてここは、元々すごい発展した街、それこそ国の中心とかと同じくらいのレベルだったんじゃないか?」


「ん、たしかに

ここはほとんど都心だし」


「だからだな

だからこんなに"取り返しがつかない"くらいに全ての物に影響が出てんだ


もしここが農業豊かな、畑や田んぼだらけの土地だったならこうはなってなかったはずだ」


「この草とかの感じだと、田舎の方がもっと被害凄そうだけど違うの?」


「ああ

この"文明裁定"って現象には特徴があってな、

俺たちが食うのに困るものには基本被害が出ないんだ

まあ一部の機械とかには影響がでるがな」


「じゃあ、お米とかトマトとか、そういうのは無くならないんだ」


「そうだ

多分卵だったり果物とかも無事だ

今から生産ラインをしっかり整えていけば、食糧には困ることはない」


「あ、あと」


「ん?」


「こんな状況で聞くのもどうかの質問なんですが、聞いてもいいですか?」


「いいぜ、わかることなら答えてやるさ

 てか、敬語使わなくてもいいぜ

 あんたの話しやすい話し方でいい」


「あ、はい


 あの、さっきまで私は違う所にいたはずなんだけど、起きたらここにいて

 確かもっと田舎の方にいたはずなんだけど」


「ああ、そのことか

そりゃあ、この星の大きさが変わったからだろうな」


 彼は少し底のあるブーツの踵で地面をコツコツと蹴った。


「大きさが?」


「そうだ、多分地形も少し変わってるはずだぜ」




 ん?



 んんん?













 どういうことなのーー





「大丈夫か?なんか、顔がだいぶ面白いことになってるが」


「ワ、ワタシワカラナイ」


「ああ、あんたの顔見りゃ誰だってわかる

 てかどうやってんだその顔」


「ワタシドコイッタ」


「お前さんは今秋葉原にいる」


「ココアキハバラ?」


「アキハバラであってるはずだぜ、多分な」


「ブ、ブーメランダサイテー?」


「文明裁定な

とある時空ととある時空がぶつかって起こる文化の取り合いみたいなもんだ」


 ?


「そうだな、例えば、今日の弁当のおかずに煮物があるとするだろ」


「煮物?」


「おう、で、そこの近くに豆煮があったとする」


「おう?」


「で、その弁当が揺れて中身が動く」


「ふむ?」


「すると弁当のおかずが少し混ざる」


「うん」


「煮物には豆煮が混ざって具が豪華で見目もあまり悪くはならないが、豆煮は中途半端に人参が1本か2本混ざって微妙になる」


「ほお?」


「ということが文明とか文化とか技術のレベルで起こる

 ちなみに、豆煮がここな」


「?豆煮が?」


「例えだ例え、細けーこと気にすんな」


 彼女は目も口も棒にしてよくわからない表情を彼に向ける。


「んだよ」


「一瞬なんとなく理解しかけたが、私の脳みそが本当にこの説明で納得していいのかと訴えかけてくる」


「んー、今はそれで納得しといてくれ!俺、説明下手なんだわ!


 とりあえず水探しついでにここらの探索と行こうぜ」


「はーい」




「説明は下手だが、なんか質問があったら受け付けるぞ」








「とりあえず、ヒールですごく歩きづらいから靴脱いじゃだめ?」


「石や破片があるかもしんないだろ

 危ないから却下」

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