プロローグ
君はシュナを助けるため旅立った。
目の前には目的地カノ。
周りには異形の生き物が数十。
そいつらは人間のかたちをしたもの獣の形をしたものそれぞれだ。それらに共通していることそれはとても醜く、歪だということ。それらはもともと人間だったもの。
戦力差は圧倒的だった。
君の傍らには助けると誓った少女とは別の少女。
この少女だけでもこの場から逃がさねば。
君はシュナからもらった首飾りを握りしめ剣を抜いた。
--私がここで死ぬのは確定だ、どうしてもこの数を相手に生き残れることはできない。
数十の敵側押し寄せる。
「逃げろ、セレナ。」
たとえ今逃げたところで生きて帰れるかはわからない。
少なくともここにいると確実に死ぬのでわずかながら生存率が高い方を選んだ。
しかし、少女は首を振った。
どうしても逃がさねば。
「足手まといだ頼む逃げてくれ」
少女は再度泣きながら首を振った。
少女の顔を見ると泣きながらも強い信念を持った顔だった。
この子は逃げない。
--あぁ、私はまた守ることができないのか
君は空を仰ぎ、押し寄せる異形たちを前に立ち尽くした。
少女が君腕をきゅっと握った。
君は我に帰る。
--死ねない。例え圧倒的な戦力差でも、彼女がここから逃げないのであれば。
君は少女が掴んでいた手をそっと握り、
「後ろに下がってて、俺は死なない」
と言って少女の手を離させた。