強さを見た
完結済み連載小説の番外編です
「先は有難う御座いました」
父親と思わしき人物と口論を交わしていた少年。ブレードより背は低く、傷を多く負っている。テーピングが施された手を後ろに回して俯く。
「嗚呼、構わないさ。親元から離れたいってのはよく解る」
特に男は反抗心が強いのをよく知っている。
「けど、もう僕に構わないで下さい。一人でも大丈夫です」
元来た道と逆の方向へ歩き出す少年。
「・・・、俺はこの村を守って来たし、これからも守るつもりだ。それは此処なら一人で不可能な部分を補えるからだ」
一つ、彼に知って貰いたい事を教える。彼は足を止める。
「だからってなんです」
此方に振り向き、睨みつけるが怖さは皆無。
「一人じゃできない修行がある。いや、二人以上なら修行の幅が広がる」
「こんな小さな村で強くなれるだなんて、ふざけているにも程が・・・」
言葉で駄目なら、
「試すか?」
「おい捨て子。お前に食わせる飯はねえからな」
二番目に力が強い長男。
「やめなさい!」
「・・・」
止めようとする義母と黙って居る義父。
「どうなんだよ。お前、なんか言えよ」
小突いてくる次男に縮こまる捨て子、養子、四男の俺。
「そいつに文句があるなら俺に言え」
俺を拾った三男エメラルド。一番強い。
「はあ!?お前が出て来るとか反則なんですけど!?」
「反則か。あんた弱いもんな」
「・・・!外に出ろ!」
「ああ」
義母が止めようとするが無視をして走り出す二人。勝ったのは勿論エメラルドだった。
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