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第30話【なんでも言える理由】

「そういえば翔くん最近元気ないけ何かあったの?私でよかったら話聞こうか?前は私が相談のってもらって協力してもらったしさ」


 みなみは優しげな笑みを浮かべ俺に言った。

 前って尚志ひさしの事だよな……。にしても俺ってそんなあからさまに態度に出てたかな……。尚志にもすぐ気づかれたし……。


「いや、あの事に関しては俺は実際何も協力できてなかったし、今でももっと別の方法があったんじゃないかって考えてるし、それに……」


 俺があの時の事を思い返していると南は俺の肩をポンっと叩いていった。


しょうくんがそこまで思い悩む必要ないよ。結局は私自身の問題なんだし、それにこの間も言ったじゃん?私は逆にこれでよかったって思ってるしさ……。何か逆にゴメンね……」


 そう言った南の表情はどこか切な気な表情をしていた。

 まあ、そりゃそうだよな……。本当にああなってしまったことを心からよかったなんて思ってるわけないし、自分の気持ちが伝わって相手にふりむいてもらえるにこしたことはないもんな……。まあ、南のなかで振られて気まずくなるって言う最悪の状況にならなくてよかったって意味で言ってるんだろうけどさ……。


「今は私の話じゃなくて翔くんの話を聞いてるんだよ?」


 俺がそう考えていると南は気持ちを切り替えるようにして言った。


「ああ、そうだったね……」


「何かあったの?」


「いや……。まぁ、ちょっとね……」


「んん?はっきりしないな~。そういう男子はモテないよ!」


 ううっ。南は笑いながら言ってるから冗談で言ったんだろうが、かなりグサッときた……。


「まあ、紫乃しのとちょっとね……」


「喧嘩でもしたの?」


「いや、まあ喧嘩っていうか……」


「すれ違い?みたいな?」


「まあ、そうかな……」


「へー。翔くんがそういうのって何か珍しいね」


 そう言われてふと今までの事を思い返す。


「まあ、そうだね。今までの友達とこんなことはおろか、喧嘩もしたことなかったからな……」


「翔くんはおおらかそうだしね」


「そうかな……」


「そうだよ!翔くんは相手のこと考えて誰かとそういう風にはならなそうだから」


 まあ、そうだな……。いつもならこんなことにはならないんだけど……。


「それで?どういうことがあってそうなっちゃったの?」


「それは……」




         *********




「なるほどね……」


「まあ、俺から謝ればいいんだけど、向こうも謝ろうとしてこないこととかそれ以前にアイツがその時に言ってきたこととかにイラッとしちゃって……」


「まあ、話を聞いた感じさ、一概にどっちが悪いとは言えないけどさ……」


「だったら向こうから謝ってきても……」


「そうそう、そういうとこだよ。なかなか仲直りできない原因は」


「へ?え?いや、今、どっちが悪いとは一概に言えないって……。なら俺だけが悪いって訳じゃないんだろ?なのになんで……」


「あ……」


 南がダメだこれじゃぁ……。みたいな視線を俺に向けている。


「え??なに??」


「いや、やっぱりさ。このままだとずっと仲直りできないよ?」


「まあ……。それは分かってるんだけど。いざ顔合わせるとさ……」


「それも分かるけどさ……」


「何度か謝ろうとはしたんだけど、いざとなるとなかなか言葉が出てこないんだよね……」


「んー。多分だけどさ……」


 南は少し考えるようにして言った。


「何?」


「紫乃ちゃんも翔くんと同じなんじゃないかな……」


「どういうこと?」


「紫乃ちゃんも謝りたいんだけど、いざ顔を会わせると言い出せないんじゃないかな……って」


「……」


 本当にそうか?アイツ謝ろうなんて思ってるのかね……。


「だからさ、今すぐでなくてもさ、翔くんから謝った方がいいと思うな」


 南はニコッと優しい顔で言った。


「まあ、そうだな……」


「というかさ、なんで翔くんは紫乃ちゃんにそんな強く当たっちゃたの?さっきも言ったけど翔くんって相手のこと考えてあんまりそういう事言わなさそうだけど」


「それは、まぁ紫乃は昔からずっと知ってるし一緒にいるから、取り繕わなくてもいいし、素でいれるというか、それで思ったことも全部言えるし……」


俺がそこまで言うと南は「なるほどね……」と小さな声で呟いて何か察したような表情を浮かべた。


「そうした?」


 俺はその様子が気になって南に訪ねた。


「翔くんってなんで紫乃ちゃんにだけ、そんな素を見せれるの?」


「それは幼馴染みだし、昔から知ってるからだってさっきも……。それに素を見せるってのなら尚志だって……」


「それは、仲いい男友達だからでしょ?そうじゃなくて……。何て言うかな……。例えば尚志くんにも気を使って言わなかったりすることあるでしょ?それをなんで紫乃ちゃんには言えるのって」


「いや、だから……」


「本当に幼馴染みってだけの理由?」


 なんだいきなり?それ以外に理由なんて……。


「そう……だと思うけど。何いきなり?」


 俺がそう聞くと南は小さなため息をついた。

 なんで、このタイミングでため息つくんだよ……。


「まあ、それは今じゃなくてもいいよ。多分そのうち分かるよ……」


「あ……そう?」


 いや、そのうちってなんだよ……。


「てか、俺の話ばっか聞いてもらってるけどさ……。南は?今日、尚志にチョコ渡したの?」


 告白してないのなら友チョコってことであげれば不自然なく渡せる訳だし……。


「うん、まあ一応ね……。友チョコってことで……。尚志くんにモテるから私が渡して一つ多くもらっただけなら変に勘違いされることもないと思ったし……。いや、まあ私の場合は勘違いではないんだけど……」


「そっか……」


 まあ、渡せたなら何よりだ。


「じゃぁ、私こっちだから。じゃあね翔くん。また明日」


 そう言って南は手を振っている。


「おう……。今日はありがと。また明日」


 そして南は歩道を右に曲がり帰ってった。


「俺も帰るか……」


 そう呟き、そのまままっすぐ進もうとしたとき、俺の左の曲がり角から紫乃が歩いてきたのが横目に見えた。向こうも学校帰りなんだろう。まあ別の道から来たって事は寄り道でもしてたんだろうか……。

 向こうは目をそらし俺に気づいてないふりをしている。

 俺も突然すぎて、とっさに気づいてないふりをしてしまいそのまま歩き出した。

 マジかよ。何てタイミングだ。てか南といるとこ見られてたか?見られてるよな。最悪だ……。


 ん……?いや、……星宮ほしみやならともかく、なんで紫乃に女子といるとこ見られて最悪なんて思ったんだよ俺……。








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