表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/40

【クリスマスイブは嫉妬と憎悪が渦巻いている】

 今回は番外編です。

頭に考えていた話ではあったのですが、描かなくても、そこまで本編に影響のない話なので本編では省いた話だったのですが、今描いている本編の構想が大まかにはできてるのですが細かい部分がしっかり構想できてないので、今回番外編を挟みました。

ちなみに9話と10話の間の話です。

 学校でのテスト期間があと一週間あるので(あー地獄だあー)次回の投稿は少し先になるかもですが......。次回もよろしくお願いします。

 1ヶ月前、クリスマスイブ


「あークリスマスイブか……けっ……」


 朝目を覚まし、俺は真っ先にそんなことを口にする。

 なんで日本は、海外の文化をリア充祭典に変えているんだ……。本当にけしからん。


 そしてベッドから起き上がり時計を見ると10時を過ぎていた。何も予定がないからいつもの休日通りこんな時間に目が覚めたが、カップルどもは今頃きゃっきゃうふふしてんだろうな~。

クリスマスは非リアに対するいじめですか?


 1階に降りて朝食を食べ、自分の部屋に戻る。

今日は絶対に外出はしないぞ……。どうせ外出したところで人目も気にせずイチャコラしてるカップルを見て憎悪の心を抱くだけだしな。今日はテレビも見ないようにしよう……。どうせクリスマス特集とかばっかりだろうしな。

そして何より一番見てはいけないものは、SNSの投稿だな。うん。間違いない。いつもは暇なときは、よく見てるし暇潰しにもなっていいのだが。どうせ今日は開いてもカップルの自慢投稿ばっかりだしな。

今日タイムラインは「今から彼ピッピーとデート~」だの「デート中♡」だの「二人でいる時間が幸せ♡」だの「彼氏からディ○ニーのチケットプレゼントされたー。マジ嬉しいー」だのカップルの自慢投稿ばっかりだからな。そしてなぜかカメラの加工アプリでのツーショットの写真が添えられている。

 なぜあんなにSNSで自慢したがるの?よりによって嫉妬しっと憎悪ぞうおの渦巻くあの海に……。

 偏見かもしれんが俺が思うに、そういう自慢投稿する人の半分くらいは、’’異性と付き合えている自分’’という状況が嬉しくて、その自分に酔っているだけの気がしてならない。

 そして「○ヶ月いきましたー。応援ありがとう」っていう報告も。カップルの間で共有すればいいことを……。いつもこれを見て芸能人かよ!! と思う。そして「別れました。応援ありがとうございました」って投稿もな。だから芸能人かよ!!

 おっと俺のここまでの意見は決して、本当に、マジで、妬みの感情から来ているわけではありませんよ。いや……本当だよ……。

 結論、非リアはクリスマスイブは、テレビも見れず、SNSも開けず、外出もできず、つまり何も出来ないのだあ。ハッハッハー はー……。なんか悲しくなってきた。 俺も異世界転生してヒロインからモテモテの生活を送りたい。異世界物の主人公も女子とお近づきになった事無い。とかよく言ってるしな。誰か俺を異世界に召喚してください……。

 よし、意味の無いことを考えるのはこの辺で止めておこう……。

尚志ひさしに電話でもしてみようか?……でもあいつが仮に星宮ほしみやっを誘っていたとしたら迷惑か……。誘えてるのかな~。俺はチキン過ぎて誘えなかったけど。

 よし暁斗あきとにかけてみるか。アイツならたぶん出るだろ。

俺はそう思いスマホを取り出して電話をかけた。


「もしもしー、暁斗~」


『なんだよしょう電話がなった瞬間女子からだと思ってスマホに飛び付いたのに……』


 その暁斗の声は少し元気がなかった。


「暁斗、お前なんか元気なくね?」


『当たり前だろ!クリスマスイブだぞ?カップル共がイチャイチャ イチャイチャ……てか、そう言うお前も元気ないし』


 自分ではあまり自覚がなかったが、どうやら俺もクリスマスイブということで無意識にテンションが下がってたらしい……。


「お前は誰か誘ってみなかったの?」


 俺が聞くと暁斗はすぐに答える。


『ふっ。誘ったけど案の定断られたさ!』


 あ……。もう、こいつに関してはここまで来ると本当笑えなくなってくるな。


『てか、お前、俺に電話してきたってことは俺が誘えてないって確信してただろ……』


 おっとこれはマズイですね……。


「え?あ……そんなことない……よ?多分」


 案の定、不意に核心を着かれると言い訳が下手の俺。


『言い訳下手すぎだろ……。俺なんてあれだぞ。今日はSNSは開きたくないからな~。今日一日、アプリ消してやったぜ』


 俺と考えることは同じでも、俺よりもさらに硬い意思を持った暁斗さん、マジパネーっす。


「そこまでするか?開かなきゃいいだけだろ?」


『いいや、それは違うぞ!翔。アプリを残したままだとアイコンを見る度に、ああいう投稿があるから開きたくないって考えが頭をよぎって、結果その投稿の事を想像してしまっている。つまり消さなければ意味がないのだ』


「ああ……確かにそうだな。お前はもしかして頭いいの?」


『ふっふ……まあな』


 暁斗が誇らしげにそう言った。


「まあ、ちょっとだが時間潰せた。サンキューな暁斗」


『おう』


 そう言って俺は電話を切ると、スマホのホーム画面からSNSのアプリを消した。今日だけだが。いや、一応明日のクリスマス当日も消しておこう。


 今日は一日ゲームやな……


 クリスマスイブは嫉妬と憎悪が渦巻いている。特にSNSにな……。

 街に出ようものならリア充を見る視線が嫉妬に満ち溢れている者もいるが……。俺とか、あと俺とか。

 結論、それは非リアに限るが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ