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第0話:プロローグ


この小説はちょいグロ、ちょい絶望、ちょい感動を目指しています。

なので、そういうのが苦手な人はすみませんがご遠慮下さい。

あと、主人公(男)が少女になるのでそちらも駄目な人もご遠慮下さい。

と、いってもTS要素は殆どありません。

では、どうぞ……




「くぅ……」

斬られた右腕からじくじくした痛みが広がり私は思わず剣を取り落としてしまう。

まずい、と思った時には既に遅く敵の斬撃は目の前。

何とかその一撃をかわすも体勢が崩れてしまった。


 そこに追撃で足払いをかけられ体勢が崩れる。

そのまま勢いで体ごとぶつかられ、私の身体は大きく吹き飛ばされた。

咄嗟(とっさ)に魔術を放とうとするが、一度パニックになった脳では集中が出来ない。

何とか魔術を形にした時には壁にぶつかり詠唱も途中で途切れてしまった。

しかも、体勢を整える間もなく身体が光に包まれる。


「なっ!」

あまりにも速すぎる追撃に思わず相手を見上げる。

が、そこにあったのは勝ち誇った顔でも勝利を確信したものでもなく、

距離を取って警戒している敵の姿だった。


どうもこの光は敵と関係がないらしい。

(……じゃ、今発動している魔術はいったい…………)

そこまで考えると私の意識は途絶えた。


………………………………………………………………………………………………


一人暮らしなんかをしていると、ふっとした拍子に外に出てみたくなる時がある。

今夜もそんな気分だっただけのことだ。

家をでて10分のコンビニまで行く途中、前も向かずに夜空を見上げながら歩いていた。

周りに人が居ないからこそ出来る芸当である。


その途中の十字路で何かが俺にむかって飛んで来た。

俺に出来たのはただ呆然と突っ立ていることだけ。

そいつは物凄い勢いで俺にぶつかった。


そのまま数十メートルは飛んでいく途中、光が弾ける。

その光に包まれ間もなく俺は壁に激突した。

「かっ……はっ!」


衝撃で肺の中の空気は全て無くなり背中からはジンジンとした痛みが伝わってくる。

「……っっっつ!」

 突然右腕に信じられないような衝撃がはしり声にならない悲鳴を上げた。

見ると二の腕の辺りから血が出ている。

そいつは腕を伝い指先から滴っていた。

突然のとこに頭がついていけそうもない。


考えているのは治療費が高そうだ、とか。

つーか、普通死ぬって、とか。

やっぱり前を向いて歩かないとダメだな、とか。

明日の休みは何をしようか、とか。

まぁ言うなればただの現実逃避である。


その間数十秒か数分か、ふと気づくと目の前に剣を携えた男が立っていた。

テレビなんかで見る日本刀なんかと違って、背の部分が反り返ってないやつだ。

「……何の魔術かは知りませんが、来ないつもりならこちらから、いきますよ!」

 剣を突き出すようにして喋る男の言葉を聞いた瞬間、俺の中の本能か警告をならした。

(この男、色々危険過ぎだろ!)

 考えるまでも無いことだが、咄嗟にそう思った。

(っていうか、明らかに人違いだろ!)

 冷静な判断を相手さんは待ってはくれなかった。


避けられたのは偶然か必然か。

何の予備動作もなく突き出された剣は俺の真後ろのコンクリートを貫いた。

男が剣を抜くとさっきまで無かった線がコンクリートに走っている。

顔の横を通り過ぎる剣が頬を撫で鳥肌がたつ。

(冗談じゃねぇ!死んじまうって!)


「ほう、顔色一つ変えないとは。やはり、たいした人ですね」

 それは顔が引きつって変わらないだけだったし、言いたい事も色々あったが、あまりの事に声が出てこない。

「………舐めているんですか……次は本当に当てますよ、覚悟してなさい」

(……あぁ、やっぱり自分で避けれた訳じゃないのか)


 と思うと同時に俺は家の方向へ全速力で走った。

つまり、……逃げた。

男は暫く硬直した後、持ち上げた腕を静かに下ろした。

「……まさか、脇目も振らずに逃げるとは……その潔さに免じて今日の所は見逃しましょう」

 男の呟きは誰にも聞こえることなく闇へ消えていった。



俺は、左腕で右腕を庇いつつ無我夢中で走った。

後ろから、あの変な男が追いかけてきそうで後ろは振り返れない。

(……あっち)

 突然聞こえてきた声に驚き背後を振り返る。

しかし、そこには誰の姿もなくあるのは闇ばかり。

荒く息を吐きながらキョロキョロとあの男の影を探す。


(厄日だ。なんなんだ、あの犯罪者は……)

 暫く、辺りを警戒するも犬の一匹すら通る気配がなく、

俺は大きく深呼吸した。


(…………はやく、あそこに……)

 また、聞こえた。よく聞くと高く澄んだ女性の声だ。

……一体、誰が…………

頭で思った俺の呟きに返事があった。

(私のことなんて、どうでもいいの!とにかく、はやくあっちに!)


 ……何だろうこの理不尽さ。

なんで今日に限って変なもん叩き付けられるわ、変な男に斬られそうになるわ、変な女に頭の中覗かれて命令されるわ。

神様、俺なんかしたか?

だいたい、そうだよ。

隣のに住んでる奴が夜中に大音量でゲームなんてやってるから、隣で寝ている俺は寝れないんだよ。

本当は今ごろ、暖かい布団の中のはずだったのに……


(あぁ!もう!男がウジウジするな!どうでもいいから速く動きなさいよ!)

 ヒステリーかよ。なんかムカツクの通り越して呆れるな。

あぁそうか。……これって夢か。そうだよな、ありえないよな普通。

(……OKOK。もう夢でもなんでもいいから、とにかくあっちに行ってよ……)

 夢の中の登場人物にしてはなんだか疲れてるみたいだ。

少し申し訳ない気持ちで俺は導かれるまま道を歩いていった。




 言われるがままに歩いていると、怪しい点に幾つか気が付く。

1つに今どっちを曲がったかも分からないような事。

いくら俺の記憶力が低いと言っても普通覚えているはずである。

2つに夜だと言うのに進めば進むだけ辺りが白くなっている事。

序々にではあるが光彩を増し、まるでスクリーン越しに映画を見ているかのようだ。

3つに人の気配が全くというほどない事。

まぁ、これは偶然俺が見てないだけかもしれないが。


他にも色々ある。

例えば姿すら見せない奴の言われるがままに俺が文句も言わず歩き続けている事。

右腕の怪我がいつの間にか治っている事。

というか服も違うし、腕も細いし、手も小さいし、髪も長いし、声も……

しかし、俺は全てについて考える事を放棄した。

だって……これは夢だから、と。


 この思考の放棄を後々嘆くことになるのだが、それは今は関係のないことだ。


まず、最初にお読み下さりありがとう御座いました。


もし、グロや絶望、感動をお望みの方は

もう暫く先の話になります。

好みに合えば宜しいのですが…

後、稚拙・遅筆な文ですが、すみません暖かい眼差しで見て下さい。


修正点としましては矛盾点が多かったのと『〜た』や『〜だった』などの『た』表現が多かったのでその部分を修正しました。

なんて言いつつまだまだ多いんですけど…。

後、敵のお兄さんの台詞を後のものと合わせるために多少変更致しました。


また、既にお読みなって頂ました方々には多量の修正に申し訳ないです。

ですが、流れとしましてはほとんど変化はないので、その辺りは安心して頂いて結構です。

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