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  作者: 三浦 うら
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鬼との出会い

初めての投稿です。

何かと至らぬ点があるかと思いますが、よろしくお願いします。

 「おはよう」と飛び交う通学路には、もう紅葉が綺麗に色付いている。16年目。今日、私が迎えた。そう。今日は私の16回目の誕生日だ。と、言っても何も変わらない。昨日も今日も、1日違うだけで何かが大きく変わるなんてありえないのだ。

 私が昨日までの15年間願って来て、そして16年目の今年も願うだろうこと。それは、この目が普通になることだ。誕生日プレゼントもサンタクロースもお年玉も、何もいらないからと言って望んできた。

――――私には、俗に言う妖怪が見える。

あ、ゴメンナサイ。でも本当なんです。まぁ信じなくても良いけど。このことで、今まで友達なんてできなかった。家族も無くした。だから慣れっこなの。一人には―――――――

 「キィャー!!」

突然女の子の悲鳴が聞こえた。私の学校の子か。まぁ、私には関係ない。横を通り過ぎようとした。その瞬間。

「随分冷静なんだな。ってかお前、少しは心配してやれよ。それとも何か?お前は鬼か?」

っ!?

「誰。」

「いや、違うか。」

「誰って訪ねているの。解らないの?」

「お前は――――」

コイツ、人間じゃない!?

「真人間か。」

「・・・・・は?マニンゲン・・・・・?」

私は、生まれた時から妖怪が見える。だから、それが私にとっては当たり前で、だから人型の妖怪は人間と区別をするのが難しくて。・・・・・でも、コイツは直ぐにでも解った。

「あなた、人間じゃない」

「セーカイ」

得体の知れない妖怪は、フッと小さく笑ってから、ニヤリと微笑んだ。

「やっぱり、匂いの根源は確実だな。」

「は?匂いって何よ?っていうかアンタは誰ってさっきから訪ねているのだけど?」

「あぁ、すまんすまん。だけど、人の名前を聞くときはまず自分からっていうのが原則だぜ?」

っ!!コイツ・・・

「っ・・・まぁ、しょうが無いわね。私の名前は蘭よ。浦川蘭うらかわらん

「俺の名前はそうだ。気づいてるかもしんねぇが妖怪だ。」

「やっぱり・・・何の妖怪なの?」

「妖怪に何の妖怪かって聞くの、大分無礼な事って知ってっか?・・・・・まぁいいや。俺は鬼だ」

「・・・・・鬼・・・・・?」

今まで沢山の妖怪を見てきたつもりだったけど、鬼らしき者は見たことがない。

「なーにキョトンとしてんだ?まぁ、鬼なんて滅多に姿見せないだろうけど。別に普通だろ。」

・・・・・確かに。

「・・・・・じゃあ、匂いっていうのは?」

「ん?あぁ・・・ってかお前自分で気付いてないのか?匂いっていうのは・・・・・っと、説明は行きながらでいいか?」

「え?うん。ってか何処に!?」

「しっかり捕まってろよ!!」

は・・・?ナニコレ?私飛んでっ・・・飛んでる!!??

「何であんな妖怪に追いかけられてんのよアンタ!何かしたのっ!?」

「はぁ?俺のせいじゃねーよ。ってかお前その匂い何とかできねぇのかよ!」

「だから匂いって何よ!」

ホント意味わかんない。

「双様ー!」

「お。雫!咲!ちょっとコイツ持っててくれ!」

「承知!蔵に閉じ込めておけばよろしいでしょうか?」

「いや。爺に頼んで一先ずそいつの匂い消してやってくれ。」

「はーい。双様は?」

「俺はコイツ等片付けてから戻る」

「了解しました」

「頑張ってねー。」

「それじゃ。」

「は?・・・ッキィヤァーーー!!!!!」

ごめん。さっきの悲鳴の女の子。無視しちゃって。鬼はやっぱり鬼だ。アイツに空中で投げ捨てられた私は、それからしばらく気を失った。

 「おい。起きろ。起きろー。」

「お前さん、そんな乱暴に扱っちゃ駄目だぞい。」

「うるせぇな、爺。大丈夫だって。」

うるさいなぁ。もう。静かにしてよ。・・・って、あれ?私どうしたんだっけ?確か双とかいう鬼にあって、空飛んで、妖怪に追いかけられて、それから――――投げ捨てられた。

「キィイヤァーーーー!!!」

「ほら、大丈夫だろ。」

「う・・・うーむ」

「え・・・生きてる。」

「は?お前頭大丈夫か?」

アンタにだけは言われたくないわ。そのセリフ。人間を空中で投げ捨てるとか頭大丈夫かよ。って、言ってやりたい。・・・でも、この状況。私の布団の周りには、大勢の妖怪たちが居た。

「双様ー!お食事のご用意が整いましたー!!」

「双様ー!早く早く!!久しぶりの宴なんだからー」

廊下から声が聴こえる。聴いた事のある声だ。

「おーうっ。今行くー。・・・よしっ!お前ら、宴だ宴だ!!誰かソイツ連れて来てくれ。」

「では私がお連れいたします。」

「おうっ。サンキューな。ロロ。」

「いえ。そんな、勿体無いお言葉ですわ。さぁ、蘭さん。参りましょう。」

「あなたは?」

「私は夢久髏むくろ。がしゃどくろですの。皆さんは私のことをロロとお呼びしますので、あなたもそうお呼びくださいな。」

「う・・・うん。ロロ。」

「・・・年上には敬語というのが常識だと思いますが?」

ロロの腕がみるみる骨に変わっていく。

「はい。申し訳ありませんでした。ロロさん。」

「いいえ。こちらこそ」

良かった。機嫌が戻ったようだ。

 「よし。全員揃ったようだな。・・・って蘭。顔色悪いけど大丈夫か?」

「大丈夫じゃない。」

本当。大丈夫なわけがない。

「小さい頃、お母さんに言われたの。妖怪に関わっては絶対に駄目よって。」

「で?そのお母さんというのは今は?」

双の顔が微かに歪んだ。あぁ、コイツは知ってるのか。

「死んだわ。私が6歳の時に、父と共に。正確には、妖怪に殺されたのよ。」

そう。父と母は殺されたのだ。私を庇って。

「なぜお前の親がお前を庇ったか解るか?」

「そりゃあ、私が二人の子供だからでしょ。」

「違う。お前が特別だからだ。」

「特別・・・?私が・・・?」

確かに私は人間のくせに妖怪が見えてしまう目を持っている。家も江戸前期から続く大きな神社だ。でも、それだけ。この目のせいで友達もできなかった。親も殺された。ただ、普通じゃないだけ。

「・・・宴の前に、お前とお前の家系、それから過去まえの出来事を話そうか。」

「私と私の家系と過去まえの・・・事・・・?」

「今からおよそ1000年前、妖界と人間界が交わってしまった。それが全ての始まりだ。妖怪は基本死なないものだから、俺たち妖怪はお前ら人間に大層興味を持った。お前ら人間も同様、永遠の命を持つ妖怪を羨んだ。その他にも互いに異なる部分が多々あった妖怪と人間は惹かれ、恋に落ち、そして子供を生んだ。けれどそんな時間も長くはなかった。およそ200年で妖界と人間界の交わりは消えた。ただ、子孫を残すには十分すぎる時間だった。妖怪は人間の、人間は妖怪の血を引く子供が溢れかえった。――――お前の家系を除いては。お前のご先祖さんたちは、別の世界との交わりを禁忌と思い、妖怪と関わるのは一切禁じた。妖界と人間界の交わりが消えてからも、妖怪の血が混ざらないようにお前の家系だけで子孫を残し続けた。その結果がお前だ。だから俺はお前のことを真人間と言ったんだ。解るか?」

私はただ2回だけ首を横に振ってから尋ねた。

「じゃあ、私以外は全員妖怪ってこと?」

双も同様に首を2回だけ振ってから答えた。

「いいや、違う。確かに俺ら妖怪の血も混ざっているが、妖界との交わりが消えてから800年が経つんだ。もうかなり薄くなっている。」

良かった・・・。

「ただ・・・・・・」

「ただ?」

「お前の血は匂うんだよ。いや・・・“香る”と言ったほうが良いか。お前の親や親族が亡くなってからは特にな。そして、お前は今日16になった。お前の母親がお前に貼った妖札ようふだの要項期限が切れ、お前は世の目からも真人間になった。」

「ちょっと待って。私は昨日まで人間じゃなかったの?ていうか妖札って何?」

「質問が多いなぁ。ったく・・・妖札ってのは一次的に妖怪の血を体内に取り込むための札のことだ。有効期限が切れれば消えるがな。だからまぁ、昨日までのお前は偽りの血が通う身体だったってことだ。」

コイツ、よくわからないことを淡々と言いやがって・・・。

「それよりも話を戻すぞ。妖怪はお前の血に興味がある・・・・・まぁ簡単に言えば欲しいんだ。だからお前を拐おうとする連中からお前を守るために俺らがいるってわけ。」

・・・・・は?そんな都合のいい話があるわけないでしょう。ていうか、

「私がそういう家系の子孫で、私だけが真人間って事は一応信じてあげる。けど、それならあなたたち妖怪の方でも同じことが起こりうるでしょう。そういうことはないの?」

「俺たち妖怪は人間と違って普通にしていれば永遠の命を持っている。だからそこまで子孫繁栄とかを望んでいる奴はいないんだ。800年前、妖怪と人間の間にできた子供も人間が育てることになった。妖怪は知っていたしな。人間との間にできた子供は、自分より先に逝っちまうって。そんなことで、俺たち妖怪は人間と違って純妖怪がほとんどだ。そこに真人間の血を混ぜたい。」

「どうして・・・?人間なんてよわい血を求める意味が解らない。」

なんで妖怪は人の血を欲しがるのだろう。・・・正確に言えば、真人間の血を。

「そんなの簡単さ。・・・・・皆好きだったんだよ。人間との暮らしが。200年間と言っても、人間はそのうち80年位しか生きられない。妖怪にとってはほんの一瞬だ。けど、そんな一瞬を大切に生きる人間を見ていると、なんだか幸せになれたんだ。今では覚えているのは俺たち妖怪だけだけど、だからこそ、それぞれがあの頃を取り戻してぇんだよ。200年。俺たち妖怪にとっては一瞬のはずなのに、俺たち妖怪はそんな一瞬を忘れられねぇんだ。そのために俺たち妖怪は必死に人間界への扉を探したんだ。」

あぁ、なるほど。それで私の血が欲しいのか。妖怪ならきっと、血から新しい生命を生み出す奴くらいいるだろう。そしてコイツも・・・双も、周りの皆も同じ。私を拐ったということか。私の知らないあの頃を蘇らすために。

「あれ?でもじゃあなんで?それなら別に、真人間でなくとも、人間の血でもいいんじゃない?」

「人間は俺らのこと見えないだろ。中途半端に妖怪の血が混ざったせいで。」

あ・・・そういうことか。かつて、私の家系を除いても妖怪と人間の全てが交わったわけではない。ただ、800年の月日を経て、真人間の血と妖怪と交わった人間の血がそこでまた交わり、妖怪の血だけが薄れていった。なるほどな。筋は通っている。

「解ってくれたかしら?」

ロロさんが口を開いた。正直、なんて言えばいいかわからない。

「・・・話は解かりましたけど、まだ死にたくもないです。」

完全アウェイのこの状態で命乞いなんて意味がないかもしれないけど・・・。

「ははっ!はははっ!!」

急に双が笑い出した。そして、

「当たり前だろ。さっき言ったじゃねぇえか。お前を守るためって。」

思いがけない言葉が私の耳に入ってきた。

中3・受験生ということで、書くペースが非常に遅いと思います。すみません(´Д`;)ヾ 

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