少数精鋭
どーも『螺旋 螺子』です☆
テストも終わったし、バンバン書いてますw
<聖城クエストロピエ>が、<紅蓮の騎士団>の出撃を渋らせている。
「速く!速く!」
レイピアを振るい、なんとか数人の<蒼天の騎士団>と前線を死守しようとする。
「く!?」
虫の様に涌いてくる<リモール>軍に、また騎士団が一人餌食になった。
「もう少し頑張れ!」
この数時間、何度言っただろう・・・。
しかし周りの、もう3人になってしまった騎士団の面々は、律儀に頷いてくれる。
「がァ!!」
相手の攻撃が左足を掠める。
<疲労ゲージ>が限界に近く、動きが非常に鈍くなっている。
もう・・・、だめだ・・・。
そう思った矢先、敵軍が退いていく。
「一体何が・・・」
恐るべき速度で、撤退していく<リモール>軍。
「まさか・・・」
嬉しくて、涙がこぼれそうになる。
「やっと・・・」
<紅蓮の騎士団>が動き出したのだ!
この喜びを分かち合うために、敵のいなくなった最後の前線を見回す。
「ハハハハは・・・」
だが・・・、
誰一人とて・・・、
生き残ってなかった・・・。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
<紅蓮の騎士団>、到着。
現在の衝突勢力<軍>、<組織>、<機関>vs<蒼天の騎士団>、<紅蓮の騎士団>で平行線になる。
<リモール>側には、<神社>と、最大勢力<教会>が残っている。
<聖城クエストロピエ>には<漆黒の騎士団>が残っているが、出撃させる確立は低い。
「私が生き残ってしまった」
一人、激戦区へ向かう。
その足取りはおぼつかない。
しかし、心は壊れかけてた。
これより、『狂気の舞』が始まることになる。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
一時間後。
激戦地にて、<紅蓮の騎士団>と<リモール>軍が争う中へ飛び込む。
指示が飛び交う中、情報を耳にする。
「敵がとうとう<神社>を投下した!」
来たか・・・。
<聖城クエストロピエ>の上層部には、<蒼天の騎士団>が負けようが<紅蓮の騎士団>が敗走しようが、<漆黒の騎士団 >がいる限りは痛くもかゆくも無いだろう。
しかし、実際の被害を受けるのは前線に立つ人々だ。
「<漆黒の騎士団>を投下するしかない・・・」
呟く。
しかし考えてるコトは、そんな事じゃない。
頭は真っ白。
ただ・・・、目の前に立つ『生き物』を殺す。
ただ、それしか頭に無い。
「・・・」
レイピアを構える。
<リモール>軍が、徐々に包囲を縮めて、追い詰めようとしている。
「・・・」
死ぬのか・・・?
この世界で・・・、死ぬのか?
私は死ぬのか?
そんな事を考えていると、突如、空から四人が舞い降りる。
それぞれは、私の四方に立って私に背を向けている。
だれ・・・?
「散れ」
一人の男がつぶやいた瞬間に、それに呼応するかのように三人も動き出す。
その先には<リモール>軍の壁が・・・。
多勢に無勢・・・、と思いきや、彼らはそれぞれの武器を手に<リモール>のプレイヤーを次々になぎ倒す。
「くっ、残念だが・・・。撤退!」
<リモール>軍のリーダーらしき男からの命令を受けると、撤退を開始する。
「追う?」
「いい」
二人の短い会話で、全員の動きが止まる。
急な乱入者に対応できなかったのか、この場から退いていく。
何がともあれ、助かった。
「助けてくれて、ありがとう・・・」
声を発するコトによって、体に渦巻く『鬼人』の様な気持ちが抜けていく。
礼を述べると、
「いえいえ。あなたはセナさんでしたね?」
笑顔で返してきた一人の男。
思わず身構える。
「身構えないで下さい。怪しい人じゃないです」
装備を見るからに、なかなかの上級者が伺える。
「我は、<無情の明鏡止水・覇軍>って少数ギルドのボス、天と申します」
武器は双剣だった。
「俺は無限回廊、太刀だ」
「私はサイレントメア。槍なの、よろしくー」
「僕は幻夢。武器は大剣です」
「私はセナ。武器はレイピア・・・」
しかしあれ程強いのに、<無情の明鏡止水・覇軍>なんてギルド、聞いたことが無い。
「一昔前に、<奇々怪々・天軍>ってギルドだったんだけど、新たに名前を変えまして・・・」
<奇々怪々・天軍>?
どこかで聞いた気がするが・・・。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
<タロットカード『13』>ギルド本部。
「<青い右目(BRS)>の報告はまだか?」
JOKERは、周りに問い掛ける。
「報告します。<リモール>側は恐らく敗北します。前線で一人の女が目立った功績を残しています」
「あぁ、それはテレビの中継でも見てる」
テレビ中継が映す、一人の女。
「フフフ、<カタストロフィ>。君のお気に入りが戦ってるぜ?」
手を払い、<青い右目(BRS)>の退室を促す。
と、視線を向けると、すでにいなかった。
「今、オマエはきっと、他のお気に入りと遊んでいることだろうな・・・」
そこで、テレビに新たな乱入者が現れる。
「お?」
思わずJOKERは、テレビに近寄る。
「おぉ、天じゃないか・・・」
その口には、笑み。
「『古の化け物』が今頃何の用だ?」
ま、決まってるか・・・。
彼は一人おかしく笑う。
『鬼人』に関しては、セナのどこへもやるせない気持ちを表しており、
今後、鬼になったり、最強になったり・・・フラグではありませんw
さぁ、JOKERの言う、『古の化け物』。
誰の事か、分かりましたか?