表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
《Dream・Box・On-line》α  作者: 『螺旋 螺子』
第二幕<Marionette>
31/110

誰の手のひら?

どーも『螺旋 螺子』です☆

本日、<カタストロフィ>を名乗る人物が数人現れた理由が明かされます。

お楽しみに♪

 最初は近場でモンスター狩りをしつつ様子を見ていたが、リストアップされていたギルドと【アーミー】が戦闘しているのを見て、強制的に介入した。そのまま裏切り交渉を重ねて無事に引き込む事に成功した。


 聞けば、急に≪リモール≫の【神社シュライン】が攻めてきたのだという。

 既に前線は崩壊し、撤退を行っているらしい。

 情報から現在の戦闘の前線を割り出し、そこへ急行すると<カタストロフィ>と対峙している【狂乱兎クレイジーラビット】を発見した。


「我々は【終焉曲フィナーレ】! ≪紅炎の鴉クリムゾン・クロウ≫は≪リモール≫と戦争する意志は無いわ。ただ、≪紅炎の鴉クリムゾン・クロウ≫はこの戦争を『敗北戦争』と断定したわ!」


 その宣言により【アーミー】側からどよめきの声が上がった。


「『敗北戦争』……つまり、裏切り交渉?」

「九十九さん……≪紅炎の鴉クリムゾン・クロウ≫へ、来ない?」


 ぶっちゃけ、≪紅炎の鴉クリムゾン・クロウ≫に所属していない私が言うのもアレだが。


「このまま≪ザンダラ≫に残っていても敗北は必須。今回は、後ろ盾も無いんでしょ?」


 闇小夜の言葉に九十九は眉を潜める。そして、後方を見て【狂乱兎クレイジーラビット】のメンバーを見返すと


「いい」

「本当!? ありがとう!!」


 闇小夜が大喜びで裏切り関連のシステムを操作した。

 その間に、<カタストロフィ>は【アーミー】の方へと走り去る。

 どうして、≪紅炎の鴉クリムゾン・クロウ≫にいる<カタストロフィ>が≪リモール≫へ?


『ギルド<狂乱兎クレイジーラビット>は<ザン ダラ>を抜け、<ザンダスアディボン>専属ギルドとなりました』


 運営アナウンスが入る。


「これで、【狂乱兎クレイジーラビット】は≪紅炎の鴉クリムゾン・クロウ≫のギルドとなったわ。今後は【狂乱兎クレイジーラビット】を敵に回すということは、≪紅炎の鴉クリムゾン・クロウ≫を相手取る事であると理解しなさい!」






―――――――――――――――――――――――――――――――――



 ≪紅炎の鴉クリムゾン・クロウ≫の戦力強化。

 この戦争は、それだけの為に引き起こされたのか。

 そうか、だから私は≪リモール≫側にいなければならなかったんだ!!


「≪リモール≫と≪ザンダラ≫が戦争する事を事前に察知した<カタストロフィ>は、≪ザンダラ≫を完膚無きまでに潰すために私を≪リモール≫へと差し向けた。そうすれば、『名前だけ』ですら威力を持つ<カタストロフィ>がいた≪リモール≫に敗因はほぼ無い」


 だが、≪リモール≫領主・ペテロはこう言ってなかったか?

 『お告げの通りである』と。


 お告げは、誰かが伝えなければお告げとはならない。ならば、誰か?

 このシナリオを組んだ<カタストロフィ>に他ならないのではないか?


 もしかして、<カタストロフィ>はPKギルドに肩入れをしているのか?

 今回の敗北戦争で一番得をするのは≪紅炎の鴉クリムゾン・クロウ≫。しかし、国盗りを狙っているPKギルドがどこか国を落とせばPKギルドが一番得をする事になる。

 そして、この戦争(ストーリー)仕向けた(プロデュース)したのは紛れもなく<カタストロフィ>。


 PKギルドが狙うのはどの国か?


「一見、≪ザンダラ≫の劣勢を見てそちらだと判断してしまいそうになる。だが、<カタストロフィ>ならばその上を行くはず! その思考回路を上回らなくちゃ……」


 時間は余りない。だが、≪ザンダラ≫と決めつけるのはいささか早計過ぎる。≪ザンダラ≫程度に収まるはずがないのだ。


「そうか、≪リモール≫か! ≪リモール≫を落とせば、≪ザンダラ≫を相手にする事無く二国家を手にすることが出来る!!」


 ≪リモール≫が行った≪ザンダラ≫への襲撃。それは、<カタストロフィ>が指示したもの。

 <カタストロフィ>の命令を逆らえば、国家が危うい。それは、過去の戦争で≪ジャリガス≫にて証明されている。


「クソッ!」


 こちらを警戒する【終焉曲フィナーレ】と【狂乱兎クレイジーラビット】を無視して、踵を返すと≪リモール≫へと急いだ。






 ≪リモール≫に近接する『絶壁の崖・クリフ』を全速力で駆け抜ける。

 それと併走するように私にまとわりつく部隊があった。服装からして白を基調とした修道服に金色の刺繍が入っている。

 どこかのギルドから独立した部隊……恐らく、伝令専用の部隊かもしれない。


「<カタストロフィ>とお見受けする。戦場は此方ではない」

「分かってる。実は≪リモール≫がPKギルドに襲われる可能性がある。【神社シュライン】に≪ザンダラ≫攻略後、その地を死守。手の空いているギルドはこのイベントを即刻終わらせる為に【教会チャーチ】にこの報を伝えて、防備を固めるように言って!」


 その言葉を聞いた女は、驚きの表情をした。


「分かりました。では、即刻」


 そう言った直後、私に向かって太剣を振り回した。

 慌てて地面を転がり、回避する。だが、走る勢いのまま急に転がったため背中に激痛が走った。


「なんのつもりです!?」


 慌てて立ち上がり、怒鳴る私の周りを金色の刺繍を着た者達が取り囲まれた。


「いやはや。まさか、こうも上手く話が回るとは驚きです。さすが、<カタストロフィ>と呼ばれるだけある」


 意味の分からない言葉に私が首を傾げると、ローブの動きから疑問に思った事が伝わったのだろう。

 話していた女が皮肉げな笑みを浮かべてこう言った。


「いえ、<カタストロフィ>といっても貴方の事じゃありませんからね?」

「なーーッ!!」


 これで確定した。

 <カタストロフィ>はPKギルドに荷担している!!


「私達は【寺院テンプル】独立隠密部隊。組織名を勾結まがゆい。PKギルドに情報を流す、スパイです」

「へぇ。私に情報を流すとは、良い度胸ね。全てバラしてあげます!」


 双剣で飛びかかるが、太剣で止められる。


「ご心配なく。既に貴方は≪リモール≫内では『PKギルドへ情報を流す<カタストロフィ>の名を騙ったスパイ』である事を報告してありますので」

「ちっ……」


 <カタストロフィ>の本元が向こう側にいるのは何よりも痛手だ。

 この<カタストロフィ>は、偽物である事がバレてしまった。


「まぁ、もしかしたら無意味かもしれませんが。偽物がここでリタイアすれば、全ては丸く収まりますから」

「そう、簡単に負けるとは思わないことですよ」


 ここで諦めれば、全ては<カタストロフィ>の思惑通りに進んでしまう。

 それを止められるのは、この事実を知らされている私しかいない!

 双剣を握り直すと、勾結に飛びかかった。



―――――――――――――――――――――――――――――――――



「すみません、取り逃がしました」


 部下が頭を下げるが、彼女は特に気にしない。

 気にする必要が無いからだ。


「良いわ、別に。何もかも、<カタストロフィ>の予見通りだから」

「そ、そうなのですか?」

「えぇ。<カタストロフィ>という解釈には二通りの意味があるのよ。なんだか分かるかしら?」

「え、えっと。『最強』である事だけじゃないんですか?」

「そうよ。もう一つは『全知全能』ね。現に、このDBOは<カタストロフィ>の思惑通りに動いているもの」

「本当ですか!?」

「えぇ。あの偽物が逃げる事も規定事項よ」

「え? なら、戦う事は無かったんじゃ……?」


 そういう部下に、彼女は笑いかけた。


「バカね。それじゃ、あの偽物に確信を持たせられないじゃない。おかげで、シナリオ通りに進みそうだわ」


 逃げ去った方向を見据えて、彼女は笑う。


「せいぜい、<カタストロフィ>の手の平で踊りなさい。そう、マリオネットのように」

やっと引き延ばした伏線を解除出来ました♪

<ストロベリー>戦時、何故<カタストロフィ>が二体も出現したのか?

答えは簡単な人間の心理です。

人間、誰でも『最強』とか『天才』に憧れるものです。

そこで、装備を集めればいつでもなれるお手軽『最強』<カタストロフィ>が登場したとしましょう。


お手軽(実際、黒ローブ+フードですからw)に『最強』が(形だけとは言え)手に入る。

そう考えれば、真似をするのが人間の心理じゃないでしょうか?


そこから、<カタストロフィ>の同時出現が可能となるのです。


上手く説明出来てるかな・・・?

心配です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ