招かれざる来客
どーも『螺旋 螺子』です☆
今回は、<カタストロフィ>がどれほどのものなのか?
を書いてみました。
前回の偽<カタストロフィ>が、あまりに雑魚過ぎたのでw
「そこのオマエ! 俺を助けろ! そうすれば、<ストロベリー政府>の幹部にぃ!!」
ワタワタと空中で体をばたつかせながら、呻くような悲鳴を上げる。
その間も、持ち上げたままの姿勢で<カタストロフィ>は笑顔でこちらを向いている。
後から、ジェシカ、亜黒、エンドが部屋に踏み込んだ。
「これはこれは」
亜黒は驚きで目を白黒させ、
「え? 三人目の<カタストロフィ>!?」
エンドは戸惑いの声を漏らした。
「ジェシカ! この『女』を殺したら<反乱軍>を指揮した罪を帳消しにしてやってもいいぞ!?」
言葉とは裏腹の、乞うような声。
しかしジェシカは笑った。
「残念だけど、私の誇りを無かったことにされちゃ、たまらないわね」
この場は誰もが静観するようだ。
「貴様らぁぁぁぁぁ!!!! ワシを助けんかぁぁぁぁごぶ」
「うるさいなぁ……、少し黙りなよ」
<カタストロフィ>が懐から取り出したのは、小さな小刀だ。その小刀を、おもむろにストロベリー将軍に向けて投擲した。
それは吸い込まれるように開いていた口に飛び込み、小刀が喉を貫通する。
「ガボゴァァァァァァ!!!」
部屋に絶叫が響く中、私はHPを確認する。
殺傷能力の低いナイフを使ったのか、あれだけの至近距離、また急所を狙われたにも関わらず、減少量は一割にも満たない。だが、それを打ち消すグロテスクさがある。
「皆さん、はじめまして☆ <カタストロフィ>様です☆」
絶叫の中、なぜか妙に耳に透き通るような言葉。
感覚的に理解する。おそらく、これが<カタストロフィ>なのだと。
「おのれぇぇぇぇぇぇ!!!!」
ストロベリー将軍が握っているのは日本刀だった。それをむちゃくちゃに振り回す。<カタストロフィ>は身の危険を感じ、手を離した。
ドンっと地面に尻餅を付くストロベリー将軍。しかし、その直後に、<カタストロフィ>が双剣の片割れを地面に転がったストロベリー将軍の胸に突き立てた。
「クソ…、ガ…ァ………」
貫いた剣により、ストロベリー将軍のHPが食いつぶされていく。やがて、うめき声と共に爆散した。
誰もが凍りついた空間の中で、唯一動ける神は、
「それでは、どこかでまた会いましょう☆」
口元がにっこり笑みを浮かべた。その表情に、私を凍らせる氷が解ける。熱い炎が宿る。人を殺しておいて、笑うなんて……。
<カタストロフィ>は燃えた私の闘志に気付かず、こちらに背を向けて窓から飛び降りようとする。
静かにレイピアを水平に構える。
≪虹色の風≫。私に出来る、最高峰の技を、<カタストロフィ>にぶつける!!!
<カタストロフィ>は飛び降りる寸前、ダンッと私は力強く踏み込んだ。虹を纏ったレイピアが<カタストロフィ>へ狙いを澄ませて食らいつく。
それに気付いた、<カタストロフィ>は応戦すべく両手を突き出して両刃をクロスさせた。
「無駄ッッッッッ!!!!!」
その程度で、私の≪虹色の風≫は止められない!
「でもないんですよッッッッッ!!!!」
両刃の上部をすり抜けて、レイピアの切っ先が<カタストロフィ>に迫る。しかし、クロスさせた双剣の合わせた隙間にレイピアを差し込んだ。それが間違いだった。
<カタストロフィ>は両手に持つ双剣のクロスさせていく感覚を狭める。そうすると、細いレイピアは滑るように上へと切っ先が誘導されてしまう。
「剣喰らい」
レイピアを押しつぶそうとする双剣が赤く光った。
これは、……武器折り!?
直後、バギンッという金属質の音と共に愛剣がとうとう破壊された。
無防備になった私の前で<カタストロフィ>は無慈悲に剣を振り上げて、振り下ろす。私は思わず目を閉じた。
再びの金属同士の接触音。そして、受け入れるべき刃は私を傷つけない。
直後、亜黒が二人の間に割って入る。
「逃げて!」
そう叫んだ直後、亜黒の武器が音を立てて吹き飛んだ。それと同時に亜黒も投げ出され壁に激突する。
「なんの因果かは知りませんが、最強までは……」
ゆっくり近づいて……私の前に立つ。
「まだまだ遠い道のりですよ~♪」
双剣が再び頭上に降り上げられる。
あぁ……、死ぬのか……。私は、負けたのか……。
とうとう、出会えた本物の<カタストロフィ>に……。
そして、刃が私の頭を切り裂こうと触れた瞬間。
キンッ! といって弾かれた。
私の頭には、赤いメッセージが煌めく。<不可侵>と。
それに続く形で<運営アナウンス>が入った。
恐らくストロベリー将軍が討ち取られた為に、<革命戦争>が終結し国領の<進入禁止コード>が発動して、国領内での戦闘行為が禁止されたからだろう。
「あーぁ。興ざめしちゃったね☆ 今日はもう、帰るよ」
再び、ニッコリ笑って、今度は<ワープクリスタル>を取り出した。
「今日は、楽しかったよ」
<カタストロフィ>は、そう言い残して消えた。
台本の製作が追いつきませんw
更新が渋る可能性があります。