マッチは幸せの炎
全力小説シリーズ第三弾!!
兼
評判良かったら連載しよかな~作品です!!
マッチ売りの少女をちょい切ない恋愛ものに変えてみました!!
私は、養父に言われたとおりに仕事をしていた。
しかし、マッチは売れ残り、養父に怒られ、
完売するまで家には入れないといわれた。
今日は、素敵なクリスマス。
養父の家族は皆、幸せにパーティーをしているのだろう。
でも、わたしは寒い中、
売れるはずのないマッチを売り続けている。
「そうだ、マッチに火を点ければ少しは暖かいかも!」
どうせ、売れないし、どうせ家には入れてもらえない。
そう思った私はマッチに火をつけてしゃがんで
来るはずのないお客さんを待っていた。
マッチをつけるたび、温もりがあり、
そのたびに、さまざまなものを想像していた。
「最後の一本だ。」
山ほどあったマッチもついに最後になり
死んだ、母のことが走馬灯のように頭によぎった。
このマッチを摩ればそう長くない時間で私は死ぬ。
そう思うと涙が出てきた。
死ぬのなんか、もう怖くないと思っていたのに・・・
でも、安心している部分もある。
もう少しで、お母さんのところにいけると・・・
「よし、最後だ!」
そういきこんで、最後のマッチを摩ろうとしたとき
「あのーマッチありますか?」
「え?」
自分より、10歳ほど上と思える青年が
こんな路上で売っているマッチを買いに来た。
見た目からして、それなりに裕福な家庭。
涙流しながら売ったら、きっとすべて買ってくれると
思いたくなるまでの優しそうな人。
でも、私の元には、最後のマッチしかない。
「そのマッチ・・・いくらですか?」
「え、いや、これは売ってなんかないですよ。
もう、ほとんど私が使ったので、ないです。」
せっかくのチャンスを棒に振ってしまった私は
もう、大号泣したくなるいきおいだった。
すると彼はハンカチを私の目にやり拭いてくれた。
「ダメですよ。女の子が泣いちゃ。
やっぱり、女の子は笑わなきゃ。」
彼の優しさは、私には、痛かった。
きっとこれは、哀れんでいるのだと。
もう死ぬ私を、捨てられた子猫のように思っているのだと。
「キミ?おうちは?お母さんは?」
「おうちは、捨てられたから、もう帰れない。
お母さんは、もう死んじゃった。」
青年は、少し考えながら、私の頭をなでていた。
「だったら、僕の家にくる?」
「え?」
その彼との出会いは、私の死を・・・
お母さんと会うことを許してはくれなかった。