1-2 いざ!
その日の放課後、私は普通部におとずれた。
「あのー」
私はコンコンとドアをたたいた。すると中から背の高い男子が出てきた。
「どなた?」
「あ…と、私は特別部のものですわ」
「特別部ね…どうぞ」
彼は私を中へ通した。生徒会室では男女同じくらいの人数で仕事をしていた。
まあなんとかきれいな方だけどやっぱり特別部の方が素敵だわ。
そんなことを思っていると席へ案内された。
「今会長来るから待ってて」
そういうとさっきの男子は廊下へ消えた。
私はあたりを見渡した。するとなんだか殺気に近い、変な風に見られているように感じた。
見られるのは慣れてるけど、こんな見られかたははじめて…
「ああ、三城会長」
「…野風会長」
普通部の生徒会長である、野風学。彼は微笑んでいた。
「今日はどうされました?」
「今日は…ちょっと相談に」
野風はまた微笑むといすに座った。
「どんなご相談でしょう」
なんだかいつもと違う雰囲気に私は戸惑った。
「…いいにくいのですが、うちの生徒がいじめにあっているうわさを聞きました…それとやたらむやみに魔法を使っているという…」
「それをうちの生徒がやっていると」
少し怒り気味に野風は言った。やっぱり怒っているわ…
「ええ、そういううわさですの。そこのところ、はっきりしていただきたいのです」
「そうですか…そういうことはよく調べておくべきですね…」
野風はにやりとめがねの奥のちいさな瞳で笑った。
「いろいろ調べてみます。分かったらお伺いしに行きますのでちょっとお待ち願います」
そういうと野風は生徒会室を去った。なによー?私に向かってあんな態度っ。
「ではお帰りください」
私は何も言わずその場を去る。もー、頭にくるわ。
外に出ると普通部の門の前に桐生陽斗。
「まあ、あんた何?」
「んー?待ち伏せってとこかな」
彼は先に歩きだした。
「何よ、あなたまでわけわかんないわ」
「へ?何かあったの?」
陽斗は振り返った。
「なんでもないっ!さあ、もう下校時刻過ぎてるから」
私は陽斗を背中から押して歩いた。