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エブリタイムヒーロー

作者: ギザ
掲載日:2026/02/04

身も知らずの人を救う人は、探せばたくさんいるはずです。そういう人がヒーローと呼ばれたりするんだろうなと思いますが、その人はいつの時もヒーローである姿なのか?

家族、友達、先輩、後輩といる時、その人はどんな態度でいるか。もちろんどんな時もヒーローのようにたち振る舞わなければならないとは思わないが、もし裏の顔が怖い人であったらきっと幻滅してしまいます。


私の父は、昭和のクソジジイです。おじいちゃんに憧れたのだか知りませんが、亭主関白、女を下にみる、気に入らないことがあると直ぐに声を荒らげます。お金を稼いできてくれたことは感謝してます。しかし、毎回そのような悪態をつくと近寄り難いですよね。そこから着想を得て作品を作りました。あくまでも着想を得たと言っても“悪態をつく”ということについてのことだけなので、ヒーローという訳ではありません。

長くなりましたが、面白くなるように頑張りました!呼んでください!

そのヒーローは人を救った。


道で轢かれそうになった子供をたまたま救ったらしい。それが地元の新聞に載り、ちょっとした有名人になった。


意外だと思った。そのヒーローと呼ばれているのは私の父だからだ。

家では、亭主関白、女、子供を見下す、気に入らないことがあるとすぐに癇癪を起こす。そんな奴が命を救ったからだ。

家でもその子供を救ったと3日は同じ話を何回も何回もしていた。

私が「もうその話いいよ」というと「俺の話が聞けねぇって言うのか!」と声を荒立ててくる。

本当に面倒だ。

他にも母のことを奴隷のように扱う。「ママ酒」「ママご飯」と定年を迎えてほとんど仕事がないのに、全く家の中でさえ歩こうとしない。もう一度言う、そんな奴が命を救ったのだ。


そんな奴も酒、タバコが祟り、数年前、癌になり完治はしたが、再発、さらにそこに脳梗塞も重なり、少し前ぽっくり逝った。実に呆気ない人生。


父は生涯威張り続けていた人生だ。

誰ともまともに会話をしていない。家族であったとしてもだ。私達も機嫌を悪くさせないようになにも喋らなかったというのもあるかもしれないが、毎日目つきの悪い睨むような目をしていたりと、まぁ楽しく会話ができない。

父が話し出したとしても昔話ばかりで、若い時にどこどこに旅行に行って…という何百回と同じ話をしていた。ちなみに、私達家族は旅行に連れて行ってもらったことがない。永遠とその昔話だけだった。

私が小さい時には怒鳴られたり、何も悪いことしてないのにほっぺたぶたれたりというのもあった。その時は、流石に死んで欲しいなと思った。その思いは死ぬまで変わらなかったが、一応親だしお金も大学まで出してくれたしと思って心の中だけで留めて置いた。


とにもかくにも、酷い人であったが、人を救ったということだけにおいては誇りたいと思った。

ヒーローがどこの場面でもいい顔をしているというのはフィクションだけなのかもしれないなと思っていた。


父が亡くなって、葬儀も終えたあと、救ったという子供が家を訪れた。泣きながら「あの時はありがとう」と言ってくれていた。

きっとそれを聞いてても父は

「おう」としか言わずに気の利いた言葉なんか発さないのだろうと思った。

子供は、自分が救った人が家ではそんな酷い人だったなんて知ったらきっと想像しているヒーロー像はガタ落ちするのだろう。ここはヒーローはヒーローのままにしておいた。


母はどこか解放されたように、染み付いていた隈もだんだん消えつつあった。何度も何度も父とケンカをし合って、母がたくさん我慢したことがあったのを私は知っている。私からしたら本当のヒーローは母ではないかと思う。


ふと思い出したことがある、葬儀の日のことだ。色んな人からお父さんは私達、弟姉のことを自慢してたよと言ってた。普段なにも言わない、威張り腐るだけの人が外では自分の子供を自慢げに言ってたらしい。


それに対して私達は、なにも思わなかった。


本当であれば、裏ではこんなこと言ってたの!と感動するところなんだろうが、不思議なことに私達はなにも思わなかったし、感じもしなかった。

それはそうだ、直接伝えて貰えなければ伝わってないのと同じだ。威張り続けていたところを見ていれば、結局はそういう人であることの定着は変わらずだからだ。その人が居なくなってから人物像が違う色にどれだけ塗られようとも、根幹を知ってる人は、ただ、悪態をつくクソというレッテルのまま変わらないんだ。


私は、もう少しで結婚をする。

もちろん、家の事は二人でお互いにやり過ぎなぐらいやって、何かをしてもらったらありがとうを言い合える家庭にしていきたい。

当たり前と言われたらそうであろう。

しかし、それを続けるとなるとどうだろう。それはどの家庭でも決めたルールがずっとできる訳ではないし、イレギュラーなことがあり、助け合いが必要になることがあるかもしれない。

そんな助け合いが少しずつ重なって、私は結婚相手のヒーローになりたいと思う。また、父とは違うやり方で。



そんなエブリタイムヒーローに。

フィクションとしてこのお話は書かせていただきました。前書きでも言いましたが、悪態つくという点だけでは参考にして書きましたが、死んではいません。

もしかしたらこういう家庭もあるのかなと頭の中で描いたものです。しかし、父がしてきた鬼畜な所業は大体そんな感じです。人によっては女遊びとか借金とかがないからまだいい方でしょうという方もいるかもしれません。そんな人には是非、数年間父と過ごしてみてください。ストレスで胃が潰れそうになるかもしれません。

最後に、様々な家の事情が世の中にはありますが、穏やかな家庭が一番だと私は思います。笑いあえて、ふざけ合って。そんな笑顔が絶えないことができるのが一番の幸せだと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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