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エーテルリウムの黄昏  作者: お茶どうぞ
35/91

35、出発

こんばんは

書き始めてから1年超えました。

もうちょっとで2000PVです。

沢山の方に見て頂きありがとうございます。

読みたい作品が無いなら自分で書いてみるか!っていうのが書き始めた理由です。

35話まで漕ぎ着きました。これから彼等は国を出て出立します。

映画とかアニメとか見ていてインスピレーションが出ると書くぞ!となるので間隔が

空いてしまっても最後まで走り続けようと思います。

これからもよろしくお願いします。

3人は市場で旅支度の最後の買い物をしていた。


「ふぅ……買いすぎたかもな」


ガルムが大きな袋を抱え、汗をぬぐいながら呟く。


「大丈夫、マジックボックスに入れれば腐らないし、傷まない」


エルドリンは軽やかに笑い、買った食材を次々に箱に収納する。ガルムとソレンディルはその便利さに目を丸くした。


「こんな便利なものがあるなんて……」


「いやぁ、助かるな」


買い物を終えた3人は、冒険者ギルドへ向かった。報告と旅立ちの挨拶だ。街を歩くエルドリンの目に映る景色は、いつもより鮮やかで、穏やかに見えた。


「なんだ、感慨にふけってるのか?」


ガルムがからかうように言う。


「……そういう気持ちです」


エルドリンは素直に答え、視線を彼に向けた。

胸の奥にあるわずかな誇らしさと、これからの旅への期待が混じった複雑な気持ちを、誰かに理解されることなくそっと噛み締めていた。


やがて、3人は冒険者ギルドの前に到着した。扉はすでに開かれ、賑わいの声が漏れてくる。


「いつもより、人が多い気がする……」


エルドリンが小声でつぶやくと、受付嬢が軽やかに近づいてきた。


「お待ちしておりました、エルドリン様。ギルドマスターがお待ちです。こちらへどうぞ」


3人は案内に従い、応接室の扉の前でノックする。


「どうぞ」


返事を聞いて扉を開けると、副ギルドマスターのエレンディルがにこやかに迎えてくれた。


「お待ちしておりました。どうぞお掛けください」


ソファーに座ると、アルバートの瞳が光った。


「それで!クラスアップの結果はどうだったんだ!?」


「私はタンザナイトにクラスアップしました」


その答えに、アルバートとエレンディルは同時にガッツポーズ。


「よっしゃー!」


城塞都市アイアンゲート初のタンザナイトクラス冒険者。歓喜の理由は明白だった。


「それと、ガルムとソレンディルはアレキサンドライトにクラスアップしました」


その言葉が部屋に落ちた瞬間、2人は一瞬固まった。


「えっ……!?」


伝説級のアレキサンドライト——その名に相応しい重みがあった。状況を理解できず、言葉が出ないアルバートとエレンディル。


「まぁ、気にするな。冒険者証の石は強さの証じゃない。俺たちは変わらない」


ガルムが落ち着かせるように言い、動揺する2人の肩に手を置いた。


「でも……まさか、そんな……」


「気にするな」


手を振りながら再び言い聞かせるガルム。徐々に2人の息は落ち着きを取り戻す。


「刺激が強すぎたんだろう」

「仕方ない、隠してやっかいなことになるのも嫌だからな」


ソレンディルとガルムは小声で話し合い、沈黙の時間が流れた。


「今日、やたら人が多くないですか?」


「君たちのクラスアップ結果を知りたい冒険者が集まってるんだ」


「なるほど、気になりますよね」


アルバートが頷く。


「今日、旅立つ予定かい?」


「はい。目的地には一日でも早く到着したいので」


「そうか、それなら見送りしよう。私たちと一緒にホールへ」


アルバートとエレンディルを先頭に、アンブレイク・ハートの3人はホールへ向かう。


ホールに入ると、アルバートが手を叩き、声を響かせた。


「注目!今日、我々のギルドにタンザナイトとアレキサンドライトの冒険者が誕生した!皆、敬意をもって拍手で迎えよ!」


冒険者たちはざわめき、エレンディルが「静粛に!」と告げると、場は静まった。


「それでは、アンブレイク・ハートの登場だ!」


3人がホールに足を踏み入れると、暖かい拍手と歓声が湧き上がった。合同レイドに参加した仲間たちの顔もあり、彼らの誇らしさをさらに高める。


「こんなこと、初めてだな」

「ええ、誇らしいわ」


ガルムとソレンディルは小声で感想を交わす。3人はゆっくりと挨拶を返し、かつて忌み嫌われた「アンブレイカー」の姿はそこにはなかった。


その後、旅のルートや訓練計画が話題に上る。


王都セレスティア方面へ北進し、エンペリア帝国付近で西に進む。危険な山脈やウォーデンフォレストは避ける。途中でクエストを受けて路銀を稼ぐ予定だ。


エルドリンはガルムに槍術を教えることにした。巨躯のガルムに合わせた槍の運用法、突き・薙ぎ・引きの動作を身体に馴染ませるため、毎日2時間の訓練を行う。


ソレンディルには時間魔法をマンツーマンで教える。時間魔法は過去に戻る、未来に進む、時間を止める、遅くすることができる。魔法陣を書きながら、エルドリンは時間の概念を丁寧に解説した。


「水滴が一定の間隔で落ちる。しかし次の瞬間、落ちるスピードが変わることはない。時間とは、変化を認識するための概念だ」


魔法陣の構成、速度調整の意味、遡行や未来進行のゲージを説明し、ソレンディルは理解に努める。


エルドリンは、時間魔法を習得すればソレンディルの戦術が飛躍的に向上すると確信していた。アンブレイク・ハートのパーティーとしての戦力は、着実に増していく——その確信は揺るがなかった。。

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