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エーテルリウムの黄昏  作者: お茶どうぞ
33/91

33、報告

飛行艇の中、商隊と監視人たちは緊張の糸を張り詰め、ただエルドリンの帰還を静かに待つしかなかった。

沈黙の中、扉が開き、エルドリンとソレンディルが現れる。


「大丈夫でしたか!」


案内人が駆け寄る。

エルドリンは笑顔で答え、緊張を解いた。


当座の危険は去り、商隊は次の国へ移動することになった。

監視人たちは、帰還するバジルを飛行艇で待つこととなる。


エルドリンは飛行艇でソレンディルとガルムを連れ、アイアンズゲートへ向かい、王都別邸にいるバジルを転移で迎えに行くと約束した。


バジルの部下たちは、先の戦いで目の当たりにした光景が信じられなかった。

エルドリンの恐ろしい剣技と魔法、ソレンディルの高度な魔法戦術――。

自分の目で確かめるしかないものを、転移魔法で間近に見せられ、全員がただ息を飲む。


「敵だったら……いや、そんなことは考えられない」

皆が小声で囁き合う。

これが、噂に聞く“アンブレイカー”の実力だ――と、心底から納得していた。


エルドリンは気にも留めず、飛行艇をアイアンズゲートに向けて発進させた。


一方、王都公爵別邸地下では、宰相アルトリウス、公爵エドガー、調査団団長カスパー、そして元調査団のバジルと、捕虜となったマルセルの仮弟子3人が揃っていた。

バジルから現地の状況と作戦結果、推察が報告される。


カスパーが仮弟子に問いかける。


「君たちはエンペリア帝国の魔法使いで間違いないか?」


弟子1は警戒心を隠せず答える。


「この尋問に答えたら解放されますか? 拷問はされませんか? 身の安全を確認したい」


「安心せよ。拷問など行わぬ。君たちに必要なのは情報確認だけだ。

睡眠・食事は提供する。ここでは魔法も使えない。尋問終了後は元の場所へ戻す。首領とは話がついている」


弟子たちは互いに目を合わせ、首領と話がついていると聞き、納得した様子を見せた。


尋問は魔法道具を使用し、緑色に光れば嘘をついていると判定できる仕組みで進められ、2時間ほどで順調に進行した。


その頃、宰相アルトリウスのもとに伝令が届く。

ロメリオが報告を行った。


「調査団がマークした貴族の動きですが、グレートレイブ湖での演習準備中、特定の屋敷に複数人が集まっております。

舞踏会や祭祀の予定は無いにもかかわらず、不自然な動きを見せています。

また、商人との接触も確認され、隣国へ情報を伝達しながら移動している模様です。明日には隣国に到達する予定です」


アルトリウスは薄く笑みを浮かべた。


「よもやと思っていたが、情報漏えいか……。だが、これで敵の情報網も把握できる」

ロメリオも迅速に応じる。


「グレートレイブ湖の状況は?」

「まだ調査中です。演習が隣国に伝われば動きがあるでしょう」

「分かった。尋問は調査団に任せ、我々は城に戻り通常業務を続けよう」


宰相は冗談交じりに、ワイン樽に隠れて移動する案まで示し、豪快に笑った。


エルドリンはアイアンズゲートに到着後、公爵邸から冒険者ギルドへ向かう。

グレートレイブ湖のディープバイト討伐報告と追加討伐報告をまとめなければならない。


討伐対象と数は以下の通り。


グライムファング 70体


スピアバック 102体


ファングロウ 6体


ウィズドムウィング 28体


ディープバイト成体 2体


ディープバイト幼体 12体


ディープバイト卵 20個


レイジングクロウ親子 捕獲


グローザーペントヴァイパー 1体


スケイルヴァイパー 1体


ドレッドジョー群生


ギルドマスター、アルバート・セレニティスは報酬計算を行った。


「アイアンズゲートの討伐報酬合計は433万200ギル。

王都ギルドの報酬は1180万ギル。

合計で1613万200ギルだ。金貨で持ち運べないため、白金貨16枚、金貨1万枚3枚、10万金貨1枚と200枚に分けた」


エルドリンは微笑みながら答えた。


「屋敷は建ちません。まず装備の支払いです。残りは後で考えます」


副ギルドマスター、エレンディル・エルムウィンドも謝罪し、エルドリンを称えた。


「よくやった。君の活躍で合同討伐の連携や武器貸出も進んでいる。君はこの街の英雄だ」


「指導はこの二人が行ったもので、私は英雄ではありません。死者を出さぬ冒険者育成が目的です」


エルドリンはそう言い、ギルドを後にした。

ガルムとソレンディルと共に居酒屋「ストロングホール・サロン」へ向かう。

今日はソフィアも呼んで祝賀会を開く予定だ。

達成感に満ちた表情を浮かべ、彼の歩みは誇らしげだった。

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