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エーテルリウムの黄昏  作者: お茶どうぞ
26/91

26、討伐報告

グローサーペントヴァイパーを討伐した四人とナイトは、短い休息を取りつつ、次なる標的に備えていた。


傷の手当はソフィアが担当し、エルドリンとガルムは武器の整備。ナイトは盾や陣形の確認を怠らない。

ソレンディルは一人、上空から索敵を続け、巨獣の位置を把握していた。


「次の標的は森の北東、距離にして約六キロメートルだ」

ソレンディルが冷静に報告する。


「距離はあるが、昼を過ぎれば森の奥に逃げ込まれる。急ぐぞ」

ガルムが顎鬚を撫で、力強く言い切った。


四人とナイトは進軍を再開し、森の縁に到着する。

標的は先ほどよりやや小型ながら、体長八メートルの巨体を誇る蛇の魔獣だった。

緑の鱗と鋭い牙を持ち、グローサーペントヴァイパーより攻撃力は低いが、素早さと奇襲力で勝る。


「戦術は前回と同じだ」

エルドリンが短く指示を飛ばす。

「俺が先手を取って傷を入れる。ガルムは追撃、ソレンディルは雷と氷の援護。ソフィアは目眩ましと火力支援、ナイトは防御と突入補助だ」


全員が頷き、森の中へと潜入。

二十メートル手前で隠蔽魔法を解いた瞬間、蛇が尾を振り上げる。しかしソレンディルの雷撃が直撃し、その動きを一瞬止めた。


エルドリンは風の精霊の加護を受け、矢のように前進。

刀を鱗の隙間へ深々と突き入れ、筋肉を断ち切る。


続いてガルムのバスターソードが振り下ろされ、傷口をさらに抉る。

そこへソレンディルの《アイススピアー》が突き刺さり、氷の槍が傷口から内部へ伸びていく。


ソフィアは杖を掲げ、《ファイアボール》を放った。

炎の球体が炸裂し、鱗の表面を焦がす。


蛇は尾で反撃し、エルドリンを弾き飛ばそうとするが、魔法鎧が衝撃を吸収。

すかさずガルムが盾を構えて進路を塞ぎ、巨体を押し返した。


「今だ、斬り込め!」

ガルムの咆哮と共に、エルドリンが再度踏み込み、刀を傷口に差し込みながら切り裂く。

ガルムは渾身の力でバスターソードを振り抜き、胴体を半ばまで裂いた。

ソレンディルの氷槍がさらに内部を貫き、ソフィアの炎が爆ぜる。


銀色の凍結が鱗全体を覆い、やがて魔獣は絶命した。


「二体目、撃破だ」

ソレンディルが息を整えながら告げる。


だが、真の脅威はこれからだった。


残る標的は最も危険な存在。

体長十二メートル、鋭い牙と尾、強固な鱗を誇る蛇の巨獣。

放たれる圧力だけで人を萎縮させ、体当たり一撃で大人を軽々と吹き飛ばす力を持つ。


「これが最後だ。気を抜くな!」

ガルムが声を張り上げる。


戦闘が始まった瞬間から、相手の速度は桁違いだった。

尾が唸りを上げ、突進が迫る。


ソフィアが光魔法を放ち、視界を乱す。

同時に雷と氷の援護魔法が敵の動きを鈍らせる。

ナイトは盾を構え、エルドリンとガルムの進路を切り開いた。


エルドリンは風の加護で高速移動。

刀を鱗の隙間に突き入れ、雷撃を流し込む。

稲光と共に筋肉が焼け裂け、巨体が身をよじる。


尾が襲い掛かるが、ガルムがバスターソードで受け止め、火花を散らす。


上空からソレンディルの《サンダーイーグル》が炸裂し、雷鳥が魔獣を貫く。

ソフィアは火球を連続で放ち、さらに氷の魔法で血流を鈍化させた。


長く激しい戦闘の末、四人とナイトの連携は完全に噛み合った。


エルドリンの刀、ガルムの剛剣、ソレンディルの雷と氷、ソフィアの火と光、そしてナイトの堅牢な盾。


全てが重なり、最後の蛇はついに銀色に変色し、地に沈んだ。


戦闘後、全員が疲労の色を隠せない中、安堵の息を吐く。


「これで全部か?」

ガルムが確認する。


「はい、生き残りは一体もいません。任務完了です」

エルドリンが刀を収めながら答えた。


ソフィアは仲間たちの傷を癒やし、ソレンディルは空を見上げ、再び危険な影がないかを確かめる。


「これで王都からの依頼は全て終了だな」

ガルムが豪快に笑い、仲間たちは互いに頷き合った。

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