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14少女漂流記  作者: shiori
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序章1

 元舞原(まいばら)市市長、稗田黒江(ひえだくろえ)編纂

 『14少女漂流記―fourteen(フォーティーン) girl(ガール) Drifting(ドラフティング) Chronicles(クロニクル)―』と四角い大きめの箱をした表紙には表記されている。

 

 これは日本のある都市、舞原市で発生した前代未聞の厄災を記録した手記と言われているものだ。


 2029年9月26日、分厚い雲が街を覆い隠し、14日間に及び外部との交流が途絶えたこの未曾有の事態は、長く詳細が明かされることなく、未だ原因はおろか、何が一体街の中で起きていたのかさえ分かっていない。


 本手記の著者は稗田黒江、厄災の生存者の一人であり、後に崩壊した舞原市の再建に尽力した政治家である。

 彼女が政府関係者と共同し厄災の真実に迫り、後に政府が取得した情報の全てを秘匿することに決定したことを彼女自身も承諾したというのは噂話として語られており、彼女は真実を知りながら長く口を閉ざし続けてきたと一説には言われていた。

 

 この手記は全七巻に分かれており、それらは厄災の関係者が大事に保管していたものだった。


 表に出れば国家機密とされる資料であるだけに、緊張しながら箱を開くと、円盤型のディスクが姿を現した。


 手記と称されているにも関わらず、紙媒体の情報がほとんどなく、これには

公の場にこの手記の内容を出来る限り公開したくない意図を強く感じさせる。

 ディスクはDVDやブルーレイに対応した規格ではなく、専用の再生端末の用意が必要で、それも複製を間接的に禁止して、関係者のみで共有したい意図を感じさせるものだった。


 舞原市にある凛翔学園の地下深く、そこにある専用機器でディスクを再生する。映像が再生されるまでの間、全七巻を揃えるまでにした苦難が脳内に蘇る。


 そして、懐かしくも美しい厄災当時の舞原市の景色が映り、テロップが流れ始めると、自然とそちらに意識がもっていかれていった。


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