役立たず
役立たずが
役立たずらしく
擦り減っている
何かをやっている人間の
擦り減り方とは違っているのだ
底の方にある虚無感で作り上げた
別の自分が
何にもならない自分を
押し付けては引き摺り
大根おろし器の上にある大根みたいに
一人消え
一人消えと
無限に繋がっているのである
屑になったポリゴン体は
立体的な塵となって
底に溜まり
それを纏めて人型にしていく
あの列に並ぶのだ
何の厚みも無く
また元通りに帰る
生まれたことに気づかず
生まれたことを実感した頃に
屑となっている
一言も発せずに終わり
並び歩く以外に
何も行動をしない
考えていないのだ
データが無いのでは無く
塊を弄ぶことを拒否しているのだ
光の屈折と季節の熱
組み替えないサイクルと
基準になっている時間は
人間が思い付いた魔法という形に
非常に近くて
その中で生きている
その内で暮らしているのが
常に魔法を使っているのと同じだ
それを誰も気づかない状態は
何処かで笑うしかないものである
理解したことが魔法にならないのなら
魔法使いは
魔法を使っているという感覚が無い
使っている状態とは
それを理解している状態である
理解していなければ
使えないのと同じであるからだ
知らない物が
勝手に動いている
全てを理解する人は居ない
だが
理解しない部分があるのであれば
それを理解している人で担保している
集合体とはそういう形である
何も知らない人間は
基本的に役立たずだろう
何かを知ることすらしないのは
自らを役立たずにしたいのと同じだ
役に立たないことを
目標にしている
役に立たないことを
目指して生きている
人類が作った
最大に贅沢な目標である