No call #6
No call #6
るんっ♪
今日の夕ご飯はメリーさんが作ってくれておりますが
何となく不安・・・
「あの・・・ 無理しなくても良いですからね??」
「だ、大丈夫よ! 任せてっ!」
そう言う割には・・・
今にも指を切りそうな包丁捌きです(泣)
「何か手伝いますか???」
「平気よ、テレビでも観て待っていて」
あまりにも不安すぎて・・・
目が離せません(泣)
ただ、危ない感じは多々ありますが
順調に下拵えは進んで居るようです。
「何か必要なのがあったら言って下さいね」
「分かったわ」
一応、包丁やピーラーの刃物を使う
危なそうな工程は過ぎた様なので
後はメリーさんの気が散らない様に私はリビングへ。
と言ってもLDKなのでメリーさんの姿は
見えるのですけどね♪
「うにゃ? なんか良い匂いがする」
「もう少し待って下さいね(汗)」
「大丈夫ですよ? 明日は休みですからゆっくり出来ます」
「ありがと」
買い物から帰ってきて、メリーさんが料理を始めてから
2時間くらいが経過しました。
調理の音と一緒に、メリーさんの大きな独り言も聞こえてきますが
なんとか大丈夫そうです。
「テーブル、食器とか並べるの手伝いますか?」
「じゃぁ、お願いするわ♪」
再びキッチンへ行くと、ちゃんと料理が出来上がっていました。
フライパンが溶ける事も無く、鍋が爆発する事も無く
良い匂いです♪
「お皿は、こんな感じで良いですか?」
「ええ、大丈夫」
スプーンとフォークはありますけど
流石にナイフはありません・・・
「お箸でも大丈夫ですか?」
「もちろんよ♪」
出来上がった料理は、特に異質なものではなく
どこか安心するものでした。
「出来上がりですね?」
「はい、お待たせしたわね」
テーブルには先程までコンロにあった
鍋とフライパン。
自分で好きなくらい取り皿に移すスタイルらしいです。
「美味しそう♪」
「冷めないうちにどうぞ」
「い、いただきます」
「はい、どうぞ♪」
初めに鍋に入っている料理を♪
「これって、シチューなのでしょうか?」
「これは、ブルギニヨンというのよ♪」
「もしかしてフランス料理?」
「そうよ、家庭料理だけど」
見た感じは、ビーフシチューです。
ただ・・・ 全ての具材が大きいです。
取り皿の上で、更にナイフやフォークで小さくしてから
食べるみたいです。
牛肉も大きなサイコロ型のままです。
ニンジンやジャガイモ・・・
電子レンジを駆使していたのは、その為だったのですね?
仄かにお酒の匂いがあるのは、最初に赤ワインで肉を
煮込んだからなのでしょうか?
「こっちの、フライパンの料理は何と言うのですか?」
「これは、ラクレットと言うの♪」
「フライパン調理の温野菜なのですね~」
「チーズが溶けているうちにどうぞ♪」
野菜の鉄板料理? ステーキプレートの野菜だけバージョン?
大きくカットした野菜に焼き目を入れて、多分味付けは塩コショウ?
あと、チーズを乗せて溶かした料理みたいです。
「普段も、お料理するのですか?」
「・・・いいえ、誰かに食べて貰うのは初めてなの(汗)」
「本当ですか? すごく美味しいですよ?」
「本当に!?(///)」
「はい♪ 美味しいです」
「実は、故郷に帰った時に・・・ 練習してきたの(///)」
「はい? フランスに1週間以上滞在した時の事ですか?」
「そうよ、あの時に・・・ 母に料理を教えて貰ったの(///)」
「ほえ~ それが、今日作った料理なのですか?」
「そうなの(///)」
実は、メリーさん・・・
自前で調味料を持参してきていたみたいで
どこか日本の料理とは違う風味は
その調味料がポイントみたいです。
あと、家庭料理と言う事もあって
なんか、安心する優しい味です。
その前にっ!!!
メリーさんが母親に料理を教わったと言ってますが
母親は何!?
人形なのでしょうか?
人間なのでしょうか!?
母親も何かの擬人化!?
No call #6
にゃん♪




