寝起きのスマートフォン
先程の、寝起きの私そのもの。
太陽が恥ずかしげに顔を覗かせている頃。
私はこの世界に戻ってくる。
戻って来たや否や。
すぐ近くにあったスマートフォンを触る。
何か理由があるわけではなく。
唯々の暇つぶし。
何もしてない時ほど満たされているものはなくて。
何かをしている時の喪失感は、私の焦燥を促す。
ジリジリと、燃える音をたてて。
迫ってくる。
だからといって何もしない訳じゃない。
だって手に入れるためには何かを失わなければいけないから。
私は喪失を経て、未来を得る。
それこそが選択。
それこそが生。
私はスマートフォンを置き、朝食の準備をする。
死に急げ、命よ。
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