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魔法を手に入れよう!

ストックが切れましたわ(失踪フラグ)

少女は目覚めた清々しい朝である。

「おはよう、起きたな美稲殿」

「おはよう!ピアン!さぁこれから魔法少女生活の始まりね!」

少女はサムズアップした。

「おぅ!これから1か月よろしくな!」

ピアンは親指らしき指を下に向けた。少女はその指を上方向に無理やり持ってこうとする。

「いたい、いたい。やめろ、やめろぉ。折れる折れる。」

少女はピアンの泣き顔を見てから満足し軽やかに朝食へと向かっていった。


「美稲、昨日五月蠅かったけどなにかあったの」

少女の母、裕子が心配そうな顔をしている。

「うーんっとね、昨日ゴキブリが入っちゃって頑張って退治してたの……本当最悪よねママ。」

少女はうんざりしたような風なモーションをする。カバンの中に入っているピアンが(誰がゴキブリだ!)っと広義するように暴れているが、ピアンに蹴りを入れて黙らせる。

「そういえばパパは?」

「あぁ、もうお仕事行ったわ。野球部の担当になったから大変みたいね。」

少女の父貢治は、私立の中学校教師である。何かとせわしない感じのある教師であるが生徒からの人気は高い。美稲は(色々面倒なので)公立中学校に通わせている。

「……そうだ、美稲。登校するとき中学校に行ってパパにこのお弁当届けてきてくれない」

「えー、パパまた忘れたの?まぁいいけど。」

「本当にごめんねー。今日、おばあちゃんちに行かなくちゃいけないから……。」

「ふーん。わかった」


美稲は朝の支度を済ませ、学校へと向かう。父の通っている神代学院は美稲の通う中学校からは橋一本、川の向こう側にあるお金持ちの学校である。

(私も桜中学校じゃなくてこっちに通いたかったな)

少女だけでなく、桜中学校に通う生徒は誰しも羨望の目で神代を見つめているのだ。

「お前の父親、神代の先生だったんだなー」

鞄の中でピアンがぼそりと呟く。

「ピアン、黙って。っていうかあんたのその口ぶり。使い魔になる前は、桜生だったの?」

「ん、まぁそんなところだ。ところで怖そうなおじさんが近づいてきているんだが」

少女が後ろを振り向くと青い服を着た守衛の土秤がいた。少女は彼の姿を見て常に大きいと思っている。

「美稲ちゃん、おはよう。美稲ちゃんがここにいるってことは、空崎先生また……」

「はい、またです。」

しかしそのような姿とは裏腹の高音ボイスと温厚な性格から、さらに濃厚蜂蜜クロッワサンを昼休み時に常に食べていることから、森のつっちーと呼ばれている。鞄の中のピアンが思わず吹き出している。少女は、鞄を中に入ってるピアン毎の後ろに放り投げ、ため息をつくモーションをつっちーに見せる。

「全くですよねー。つっちーさんよろしくお願いします」

「はーい。わかったよー」

「おっと、そろそろ学校に行かなくちゃ遅刻しちゃう。じゃあつっちーさんまたー」

「あいよー」

少女は放り投げたバックを拾いながら、走りながら学校へとむかう。


「おい。美稲。お前、いきなり投げるのは酷くね?」

ピアンが鞄の中で抗議する。

「べっつにーいーじゃん。で、今のやり取りで本当に魔法が手に入るの?」

「あぁ、今のやり取りで魔法『デリバリーミール』という魔法を入手したぞ」

「なんだろう凄くしょぼそうなんだけど……。」

「あぁ、実際しょぼいぞ。『自分の持ってる食料を離れた相手に渡すことができる』。という呪文だ」

「えぇ……食べ物限定?」

「今回届けたのがお弁当だったからな」

少女は納得がいかないという顔をする。あの、アホな同級生ではないが、魔法というものはもっと夢のあるものだと思っていたからだ。

「はぁ……まぁこんな調子で30種類魔法を集めれば私のお願いは叶うんでしょ?」

「まぁな。お前の願い位だったらそんなもんで大丈夫だろう」

「ってことは、もっとすごいお願いをするためには、もっと魔法を集めなくちゃいけないの?」

「まぁ、そういうことだな。たとえば……病弱な体を強くしたいとかだったら50種類必要だし、人間を蘇らせたいとかだったら100種類必要になる。」

「ふーん、まぁ私には関係ないけど」

そういって少女は自らが所属している桜中学校のある橋の向こう側へと駆けていくのだった。

ピアン「ということで今回手に入れた魔法を紹介するぞ!」

美稲「えっと……ご飯を移動させる呪文だっけ?実用性は?」

ピアン「現代社会だとそこそこ高いと思うぞ!たとえば~カップラーメンをお湯をこぼさすに机まで運べる」

美稲「それは便利ねー。」

ピアン「まぁ移動速度は時速1kmだからあんまり遠いと伸びるけどな。麺。」

美稲「デリバリーサービスには使えなさそうね……」

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