72/75
4
「…ヒミカ」
「何? キシ」
「一つ、ボクのお願い、聞いてくれませんか?」
「ん?」
アタシは顔を上げた。
優しく、そして悲しそうにキシは微笑んでいた。
「もしボクが、ヒミカよりも先に死んだら…その体を残さず食べていただけますか?」
「はあ?」
何を突拍子もないことを…。
「ボクはアナタが死んだら生きていけませんから、すぐに後を追います。けれどヒミカはボクを食べて、ずっと生きててください」
「どういうお願いよ、それ」
あんまりに勝手すぎる『お願い』に、思わず顔が歪む。
「…ヒミカ」
「何? キシ」
「一つ、ボクのお願い、聞いてくれませんか?」
「ん?」
アタシは顔を上げた。
優しく、そして悲しそうにキシは微笑んでいた。
「もしボクが、ヒミカよりも先に死んだら…その体を残さず食べていただけますか?」
「はあ?」
何を突拍子もないことを…。
「ボクはアナタが死んだら生きていけませんから、すぐに後を追います。けれどヒミカはボクを食べて、ずっと生きててください」
「どういうお願いよ、それ」
あんまりに勝手すぎる『お願い』に、思わず顔が歪む。
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。